YE DIGITALが提供し、NECネクサソリューションズが販売した「スマートバス停」が、京都バスで導入された。利用者にとっては多くの情報が視覚的に入り、事業者にとっては省力化につながるスマートバス停の導入事例がまた一つ増えた。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■バスナビとの連携
京都バスは、2023年3月29日に、自社で運行する路線バスに京都市域で初となるリアルタイム混雑情報提供機能付きのバスナビゲーションシステムfor SaaS「京都バスナビ」を導入した。
スマートフォンなどの端末を活用し、運行中のバスの現在地や到着予測時刻、遅延情報などの運行状況をリアルタイムで把握できるほか、3段階の混雑状況アイコンを用いて、乗車前にバスの混雑状況を簡単に確認できるサービスを提供し、利便性向上とスムーズなバスの利用を目指す。
■スマホが使えない方への配慮から導入を模索
一方で、スマートフォンの利用が得意でない方やお年寄りなどには、バスの混雑状況を調べて確認することが難しいという課題が残る。
そこで「スマートバス停」を用いて、クラウドからバスナビゲーションシステムの情報(混雑状況や到着予測時刻、遅延情報などの運行状況)をリアルタイムに配信することで、バス停で直接確認できるようにした。これにより、スマートフォンで情報取得が難しかった方々でも、手軽にバスの混雑状況や接近情報を確認できる。
これらのサービスを開始することにより、観光都市である京都のバス利用がますます便利になり、地域住民や観光客にとってよりスムーズな移動が実現しそうだ。なお、バスナビゲーションシステムはNECネクサソリューションズが提供している。スマート化したバス停は、観光地を結ぶ要所として広く認識され、地域住民や観光客に多く利用されている。
京都バスは、「2023年のバスナビ導入に続き、今回「スマートバス停」を用いてスマート化することで、利用者が快適にバスを利用できることを期待しています。また、バス停から提供される接近情報案内と混雑情報案内により、待ち時間の最適化や混雑を避けるための情報提供を目指しています」と、バスナビとの連携で便利になることに期待を寄せている。
■四条河原町と大原に設置
今回スマートバス停が設置される停留所は、四条河原町バス停(四条通東行のりば)と、大原バス停の2か所だ。河原町は京都の代表的な商業地域かつ歓楽街や観光地も近い京都駅と並ぶ交通の要衝だ。大原は京都市でも北部の三千院で有名な観光地でもあり景勝地でもある。どちらも同社の路線網としては重要な停留所だ。
スマートバス停は、紙でバス停に掲示していた時刻表や路線図やお知らせなどを、クラウドから一括配信しデジタルサイネージや電子ペーパー等に表示できるようスマート化した停留所だ。IoTや省電力技術等を駆使し電子化した「スマートバス停」は、バス利用者にもバス事業者にも便利で使いやすい次世代のバス停だ。
■路線全停留所導入で本領発揮?
本領を発揮するには路線の全停留所に設置する必要があるが、現状でそのような設置方法を採用しているのは西鉄バス北九州の北九州空港エアポートバス等、まだわずかな例しかない。
今後設置台数や路線が増えれば、ダイヤ改正の都度、営業所員が各停留所の時刻表を貼りかえる手間が省け、省力化につながるとともに、利用者にとってもお知らせや、悪天候による運休等の掲示を通信網を利用して完結することができることから、普及が待たれるバス停だ。
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