YE DIGITALが提供する「スマートバス停」などのデジタル時刻表群は、2022年度にサービス提供数が前年同期比で200%増の71を突破し、累計提供数は168となった。みなさんのお近くではもう見かけただろうか。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■各地へ導入が進んだ背景
アフターコロナを見据えたインバウンド対策や観光地の再生に向け、交通分野では移動サービスの質向上や、混雑を避けるためのスムーズな情報発信を目指した交通整備が進められている。
これら最近の市場動向を背景に、2022年度は西九州新幹線開業に伴う新駅や駅前の整備、また空港線などの他交通機関に接続する路線等、利用増加が見込まれる場所において時刻表の多言語表示や観光情報等の発信を行うことで、利用者の利便性を向上する目的での導入が多く進んだ。
■4種類のタイプで路線に合わせてチョイス
同社のスマートバス停にはタイプAからDまでの4種と自販機一体型があり、それぞれの事業者や乗客の動向により最適なタイプを選択できる。タイプAとBは電灯線が必要な比較的大型のタイプで、ランニングコストはかかるが静止画や動画の広告を流せるために、その収入で釣り合いが取れれば路線全体をペイできる。
タイプCは電灯線は不要だが、太陽光パネルを併設して電源を確保するタイプ。このタイプは動画は流せないが静止画を表示することができ、中・小規模なバス停に向いている。
タイプDは時刻表やお知らせを更新する機能のみだが電源は不要で、乾電池のみで数年間駆動する。電子ペーパーの技術を採用しており、時刻表の表示中はほとんど電力を消費しないのでポール1本のローカルなバス停に向く。
■九州以外でも採用が続く!
同社は北九州市に本社がある安川電機系列のため、九州島内のスマートバス停やスマート電停に採用が多いのは事実だ。しかし広域販売を積極的に行っており、2022年度だけを見ても十和田市・前橋市・岐阜バス・岩手県交通・十勝バス等、九州以外での採用例も増えてきている。
大規模事業者はすでに独自のバスロケや時刻表システムを持っているケースもあるが、時刻表丸ごとデジタル化しているのはターミナル等ごく一部で、大都市や観光地での早期採用が望まれる。
コメント
コメントの使い方