西日本鉄道では、2025年4月30日(水)までの期間限定で、デジタル乗車券「北九州角打ち はしご酒 にしてつバス24時間フリー乗車券」を販売する。角打ちとはいわゆる立ち飲みのことで、北九州の労働者が飲むスタイルから生まれた言葉である。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■安くて楽しくサクッと飲める角打ち
酒店の店先でお酒を飲む「角打ち(かくうち)」は、工場勤務者が多かった北九州発祥の文化と言われており、現在でも北九州市内の多くの酒店で角打ちを楽しむことができる。2005年には、北九州の伝統的な酒文化を守り発展させることを目的とする「北九州角打ち文化研究会」が設立され、世代を問わず多くの支持を集める。
今回販売する乗車券は、角文研の設立20周年を記念した西鉄とのタイアップ商品だ。北九州地区の西鉄路線バスが購入から24時間乗り放題となるフリー乗車券と、12店舗の角打ちで利用可能な200円分のクーポン3枚(600円相当)がセットになったデジタル乗車券でである。
発売額は1500円(税込)で、トヨタファイナンシャルサービスが提供するおでかけアプリ「my route」からのみ購入できるデジタルチケットだ。
■「北九州角打ち はしご酒 にしてつバス24時間フリー乗車券」 の概要
販売期間は2025年4月30日(水)まで。商品内容は次の①②のセット。①西鉄バス 北九州エリアフリー乗車券(24時間券)※北九州市・中間市・行橋市・苅田町を運行する西鉄路線バスに有効。②角打ちクーポン200円分×3枚。発売額は1500円(税込)で、販売箇所はおでかけアプリ「my route」のみでのデジタル販売。「my route」へのログインには、TOYOTAアカウントが必要。利用方法は、バス乗車時に必ず整理券を取り、降車時に整理券を運賃箱に入れ、デジタル乗車券の画面を乗務員に提示する。
クーポン利用時は、アプリのクーポン画面をタップし、利用店舗を選択する。店舗に掲示しているQRコードを読み取ると、クーポンの読み込みが完了する。なお複数枚を利用する場合は、それぞれのクーポン毎にQRコードを読み取り、精算時にクーポン画面を提示する。本チケットの販売主体は西日本鉄道で、北九州角打ち文化研究会が監修している。またサントリーが協賛している。
■利用可能な店舗は12店
クーポンが利用できる店舗は北九州市の区ごとに、小倉北区5店舗、八幡東区3店舗、八幡西区2店舗、戸畑区2店舗である。角打ちらしく、そのほとんどが酒店(酒屋)である。
地理に明るくない旅行者のために北九州角打ち文化研究会監修のおすすめコースが3コースほど案内されているので、これに従うのもアリだ。しかしバスマニアとしては思う存分バスに浸りながら飲み歩きたい。
■シターロGび乗れば…
北九州市内で一般に人気なのが連節車のメルセデスベンツ・シターロGだろうか。「1番特快」は小倉砂津から西鉄黒崎バスセンターを結ぶ特快バスだ。小倉駅前には入らないが、小倉駅入口バス停や西小倉駅前バス停から乗車すれば、下到津・中央二丁目・西鉄黒崎バスセンターの各停留所付近に利用可能店舗がある。小倉駅前や西小倉駅前にもあるので、1番特快だけで5店舗くらいは回れる。
そんなに立ち飲みを続けると酔っぱらってしまうので、この中から数店舗を選択していくのも良いだろう。24時間券なので、相当な時間が余るはずだ。曜日や時間帯にもよるが、西鉄黒崎バスセンターから黒崎インター引野口まで路線バスで行き、香月快速に乗れば都市高速を経由して砂津まで戻ることが可能だ。
砂津で降車した場所から門司港方面への都市高速経由のバスが出ているので、これに乗り門司港レトロの観光をするのもいいし、道路を渡って砂津バスセンターから1番特快の色違いであるピンク色の10番特快で恒見営業所を往復する乗りバスも楽しそうだ。
角打ちを楽しみながら経路や車両で特色のある路線を乗りバスをして、思う存分酒とバスに浸りながらの北九州観光はいかがだろうか。
【画像ギャラリー】西鉄が北九州角打ち はしご酒 にしてつバス24時間フリー乗車券を期間限定で販売!シターロGで酒屋を回れ(7枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方