8年後の話なんじゃ……? いやいやすでに始まっている式年遷宮の神事に三重交通もバス停通過で対応中!!

■「御樋代木奉迎奉曳」の様子

20年に一度の神事
20年に一度の神事

 この日行われたのは「御樋代木奉迎奉曳(みひしろぎほうげいほうえい)」という行事である。御樋代木が伐り出された長野県と岐阜県を出発し愛知県から三重県まで運搬され各地で歓迎行事を受けたあと、外宮・内宮へと2ルートに分かれて奉搬される。

この御用材が神宮で20年間使われる
この御用材が神宮で20年間使われる

 内宮へは川曳(かわびき)といい宇治橋の架かる五十鈴川の中を曳かれていくが、外宮へは陸曳(おかびき)といい宮川に架かる度会橋の広場を出発し、外宮の北御門までの約3kmを曳いていく。奉曳は道路幅いっぱいに使うため時間帯により交通規制がかかるためルート上にある山田上口、辻久留町、南宮町。筋向橋、浦口町のバス停には停車しない。

絶対に見ることができない御神体が御鎮まりになる宮になる御用材を見るチャンス!
絶対に見ることができない御神体が御鎮まりになる宮になる御用材を見るチャンス!

 ゆっくりと奉曳車の集団が近づいてきた。御神木は度会橋まではトラックで、そこからは奉曳車に載せ替えられる。ずらりと並んだ引き手は市内各地区でつくる奉曳団と呼ばれる人たちである。木製の奉曳車は、高さ2.5m、幅3.8m、長さ7.5mだ。御神木を含めると重さは約8トンにもなり、曳かれると車輪がこすれ合う独特の「わん鳴り」の音が響く。

神宮の神職をつかさどるのは大宮司
神宮の神職をつかさどるのは大宮司

 まだ降り続く雨の中を、威勢のいい木遣り唄を披露しながら、「エンヤ」の掛け声で練り歩き、2時間ほどで外宮に到着した。奉曳団が曳くのはここまでであり、外宮の敷地内は先に運び込まれていた2本の御神木と共に神社の関係者が参道を曳く。神職がおはらいした後、五丈殿へと運ばれ安置された。

外宮前
外宮前

■これから8年間は神事が続く!

御用材はこれからも運び続けられる
御用材はこれからも運び続けられる

 今回は外宮周辺で執り行われた御樋代木奉迎奉曳、その陸曳についてお届けした。伊勢市で実施されるお木曳だが、関連行事はまだまだ始まったばかりである。正殿を造るために必要な御用材であることから当然数本で出来上がるものではない。来年からは本格的に行事が本格化し、4月中旬には御木曳初式(おきひきぞめしき)が、その後2年をかけて御木曳行事が行われる。

御用材を伐採する瞬間から神事がスタートしている
御用材を伐採する瞬間から神事がスタートしている

 更にその先には社殿を建てるための行事が始まり、式年遷宮の遷御は2033年10月に行われる。いわゆるイベントの類ではないので、週末開催というわけではない。しかし伊勢を訪れる機会があれば、あらかじめ行事日程を調べてみて損はない。また観光スポット伊勢市ではさまざまなバスが市内を走行しているが、そのほとんどは三重交通のバスだ。

外宮に到着
外宮に到着

 特別な料金は必要なく、「伊勢鳥羽みちくさきっぷ」というフリーきっぷ1枚で乗り放題だ。紙券の他にスマホのデジタルチケットの利用もできるので、伊勢市到着前に購入してすぐに使用開始できる。有効にバスを駆使して楽しい伊勢参りや20年に1度しか行われない神事を堪能していただきたい。

床下機器はラッピングという芸の細かさ!
床下機器はラッピングという芸の細かさ!
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