【バス運転士日誌】コミュニティバスなのに1日40往復だと? 芝浦港南ルートのダイヤを分析!!

■ダイヤはタイト部分と余裕部分?

芝浦港南ルートの平日ダイヤ
芝浦港南ルートの平日ダイヤ

 芝浦港南ルートは、田町駅を中心にしてそれぞれの方向を概ね30分の所要時分でダイヤを割り振ってあるため、田町径東口から品川駅港南口間は旅客も交通量も多くタイトなダイヤになってしまう。逆に田町駅東口から竹芝桟橋入口間は旅客も交通量も少ないため、かなり余裕のあるダイヤになっている。

 そのため、竹芝桟橋入口まで通し乗務の場合は、田町から品川方面を往復して遅延があったとしても、田町から竹芝桟橋入口の往復で定時に戻る。15分程度の遅延であれば普通に運行するだけで、交代する次の運転士には定時で車両を渡すことができる。

 ところが、田町と品川を2回往復する仕業の場合は遅延を吸収する余裕時分がかなり限られるので、遅延したまま次便も運行しなければならない辛さはある。こう書くと、通し乗務の方がいいように見えるが、これは運転士個人のとらえ方らしい。

区間によっては最終便になるケースもある
区間によっては最終便になるケースもある

 混雑区間を縫うようにガンガン走る路線バスらしい運行が好きなタイプは遅延しても田町~品川往復を好むし、最終的には定時に戻る安心感を得たいタイプは通し乗務を好むという。いずれにしても1仕業にはどちらも含まれるので選り好みはできないのだが、運転士にも様々なタイプがいるものだという例えとして紹介した。

 フジエクスプレスでは遅延回復運転は禁止されているので、乗客の皆さんには渋滞や信号のタイミングで遅延が発生し、ご迷惑をおかけするが、短い区間ではワンブロック先の見えている場所に次のバス停があるコミュニティバスの宿命なので、できればお許しいただきたいのが運転士の本音だ。

 こうして芝浦港南ルートを担当する日は、ダイヤとバス停周辺の路駐車と、バス停から出るときに同業者のバス以外では10台に1台くらいしか譲ってくれない道路事情に向き合いながらバスを運行をしているのだ。

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