【バス運転士日誌】3カ月のブランク後に訓練再開! 空車教習を修了できるか?

【バス運転士日誌】3カ月のブランク後に訓練再開! 空車教習を修了できるか?

 臨時運転士として訓練を続けるバスマガジン記者の奮闘記。記者の不注意でバスとは関係のない骨折で営業教習を3日間したところで中断になっていた。医師の許可が出てようやく復帰した運転士業だが、どのような訓練が待っているのか。再び臨時運転士としての教育がスタートする。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■覚えてますか?

昼間の営業所はバスが出払っているのでガランとしているのが普通
昼間の営業所はバスが出払っているのでガランとしているのが普通

 事情を知るフジエクスプレス東京営業所の関係者には「ようやく復帰したか!」と励まされ、事情を知らない運転士からは「久しぶりに見る顔だな!」ともう辞めてしまったのかと思いこまれ、さらにバスマガジンの読者たる運転士からは「もう潜入取材は満足できたから終わったのかと思ってました!」と色々な心配をされていたことを知ることになる。

 さて、3カ月のブランクを経て今後どのような教育になるのかと思っていたのだが、運行管理者から開口一番「路線は覚えてます?」と、当然の質問を受けた。記者が担当予定のシャトルバスやコミュニティバスの路線は覚えているつもりだが。「つもり」では実際に旅客を乗せて走るわけにはいかない。

 そこで、数日間は路線を覚えているかどうかの確認と、条約を乗せるに足りるバスの運転方法を覚えているかどうかの確認を兼ねて、空車教習のやり直しという方針に決定した。足踏みをしたがこれは仕方がないことだ。

■空車教習のやり直し

アリソンのAT車は比較的新しいバス
アリソンのAT車は比較的新しいバス

 やり直しの空車教習では、担当予定の路線ほぼすべてをひと通り走り、路線そのものやバス停の位置関係を再確認して、その間にバスの運転技能のチャックを教官から受ける。細かいところは忘れている部分も確かにあったが、一度はきちんと教育を受けて身につけたことなので、思い出せばあとは早い。

バス事業者の教習車は教習所の教習車とは根本的に異なる
バス事業者の教習車は教習所の教習車とは根本的に異なる

 特に問題はなく、若干の指摘事項はありながらも3日間で空車教習は終了しても良い旨の判断をされて、復帰4日目から実際の路線で旅客を乗せて教官の指導の下で走る営業教習に復帰することになった。

■マニュアル車に乗ってみる?

1台だけの日野レインボーのマニュアル車
1台だけの日野レインボーのマニュアル車

 その空車教習の途中で、東京営業所に元々あった日野レインボーのマニュアル車が車両転属で江戸川営業所から戻ってきたとのことで、教官や運行管理者から「乗ってみる?」と促されてマニュアル車で教習をした。

 フジエクスプレスの東京営業所は路線車すべてがAT車でマニュアル車は1台もない恵まれた構成なのだが、バスマニアスタートの記者としては新車としては製造されていないマニュアル車はぜひとも運転しておきたいので、よろこんで申し出を受けた。

教官のギアさばきを観察!
教官のギアさばきを観察!

 このマニュアル車の日野レインボーは東京営業所にもはや1台しかないのだが、AT車しかないのにだれが乗るんだろうと思っていたら、なんと記者が担当予定のシャトルバスですでに使用されているとのことで、要するに仕業によっては記者がマニュアル車を運転して実際に乗客を運ばなければならないということのようだ。

 遊びで乗せてくれるほど甘くはないのは理解していたが、マニュアル車の運転もしっかりチェックされていたわけだ。路線車は基本的にAT車しかないというのは他の事業者の運転士からすると、仕事としては「楽でいいな」だろうし、バス好きな側面からすると「面白みに欠けるな」と賛否両論だが、仕業によりどちらでも構わない状況にしておくのがプロなのだろう。

同じ型に見えるバスでも年式や仕様により異なるのでクセを知っておくことは重要?
同じ型に見えるバスでも年式や仕様により異なるのでクセを知っておくことは重要?

 空車教習の3日間は仕業に入るわけではないので、ダイヤはなく一般のサラリーマンと同様に9時~17時の仕事として従事した。営業教習に入ると教官の仕業に入り、記者が主に運転業務を担当する形になるので出勤時刻や出庫時刻を前日に確認してから翌日に備えることになるのは3カ月前と同じだ。

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