■三者三様のガイド人生
今回は「座談会」と題し、アクシーズさんに所属して働く3名のガイドに集まっていただいた。筆者はこれまで何度も仕事でご一緒したことのある方々である。
Aさんは、現在三人のお子さんを育てながら、日帰りの仕事を中心に単発で乗務している。Bさんは、私自身もプライベートでよく連絡を取り合っている、特に親しいガイド仲間である。Cさんは、子育てが一段落し、現在は宿泊を伴う仕事にも乗務している。
皆さんとは仕事で何度もご一緒しており、別々の仕事で訪れた観光地で偶然会い、つい話し込んでしまったこともある。そんな3名に、まずはバスガイドになったきっかけを聞いてみた。
「バスガイドになったきっかけはなんですか?」Aさんは、母親がバスガイドだったことから、以前から「素敵な仕事だ」と感じていたそうだ。もともと人前に出るタイプではなかったが、苦手なことを克服したいという思いもあり、バスガイドを目指したという。
Bさんは、若い頃はあまり働く意思がなく、しばらく仕事をしていなかったという。そんなとき、知人から「バスガイドをやってみたら?」と勧められたことが、始めるきっかけになったそうだ。
Cさんは、高校3年生のとき、学校に届いていた求人票の中から、偶然バスガイドの仕事を見つけたそうだ。自身の修学旅行で出会ったガイドさんが素敵だったことを思い出し、人前に立つことは得意ではなかったものの、挑戦してみようと思ったという。
3人とも、もともと人前に立つことが得意だったわけではないようだ。しかし、それぞれの契機により一歩を踏み出し、バスガイドの世界へ飛び込んだということのようだ。概ね最初はバスガイドに向いているという感じではないように思えたのが不思議だ。
なにも、人前に立つのが得意であるいは好きで、それが天職だと考えて飛び込んだ世界という方が少数派なのかもしれない。しかし実際に貸切バスに乗ってみると魅力的なバスガイドばかりだ。ということは、経緯はどうであれ思い立ってしまえばバスガイドの仕事は向き不向きはあまり関係なく、好きであればできると考えてよさそうだ。筆者自身もそうだったので、これは自信を持って言える。
■「好き」を自分の言葉で伝える
女性のバスガイドが集まった女子会ということで、お菓子まで用意していただいたのだが、そこからもバスガイドに通じる話が広がっていった。ひと口にバスガイドといっても、その個性はさまざまだ。
歌うことが好きなガイド、食べることが好きなガイド、お土産を紹介するのが上手なガイド、歴史や観光案内を得意とするガイド。それぞれの「好き」や「得意」が、その人ならではの案内につながっている。
根底にあるガイドの基本的なスキルは同じかもしれないが、そこから先は個性によりその人でないとできない光るモノがキラリと輝くのだろうと思い、筆者自身も勉強になった。
さて、座談会でお菓子をいただきながら、あるガイドさんがこんな話をしてくれた。「自分で実際に食べてみなければ、分からないこともある。いろいろと食べ比べて、本当においしいと思ったものだからこそ、自分の言葉でお客様に紹介できる」
観光地に行くと、よく似たお土産がいくつも並んでいることがある。その中で、どれが元祖なのか、他にどこの商品がおいしいのか等々、自分の目と舌で確かめてみることが大切なのだという。
ガイド自身は何気なく売店を見ているだけのつもりでも、お客様からすれば、ガイドは「さまざまな観光地のお土産を知っている達人」に他ならない。「いろいろなお土産を見てきたガイドさんだからこそ、どれを選ぶのか知りたい」実際に、そう言われたこともあるそうだ。
単に商品名を紹介するだけではなく、自分で見て、食べて、感じたことを伝える。それもまた、バスガイドの大切な仕事の一つなのであり、楽しいところなのだ。続いて、バスガイドになってよかったことを聞いてみた。




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