レシップは、バス用降車信号装置(降車ボタン)の新メニューとして、無線式の押しボタンシステムを発売開始した。あるようでなかったこのシステムとは一体?
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】レシップの懐かしい機器から最新機器まで大集合!(8枚)画像ギャラリー無線のメリットは配線不要なことだけではない!
既存のシステムは、押しボタンと乗務員席周辺に設置された制御器との間を配線する必要がある。無線式の押しボタンシステムであれば、これらの配線が不要だ。
ここまでは普段我々が使用しているデバイスでも、無線式のものは多くあるので考えつく。ところが配線は不要でも多くのボタンを設置しなければならないバスでは電源という問題がある。省電力化しても個々のボタンに電池を内蔵して切れれば充電しなければならないので、それも難関だ。
本システムでは、乗客が降車ボタンを押した力を電気信号に変換するために電源は不要なのが特徴。よってよく押される位置のボタンだけ電池切れという心配は不要で、トラブルフリーだ。
配線は実は重い!
バスのような大型車両の隅々まで配線を引くとなると、ケーブルの総重量も馬鹿にならず、大型路線車で約40個もある降車ボタンに配線するとケーブルの総重量は10kgにもなる。この重量軽減は燃費向上に役に立つ。
配線が不要なことから、設置場所の自由度が高まり有線式と無線式のハイブリッド取り付けも可能だ。
押されたボタンが分かる!
電波で降車ボタンが押されたことを発信するために、信号そのものに情報を持たせて降車ボタン固有の信号とすることができる。それによりどの場所のボタンが押されたのかが判断でき、例えば押された場所により自動放送を変える等の活用が期待される。
バスの運行には多くのIT技術が活用されているが、走行系の技術とともに運行システムも着々と進歩しているのが垣間見ることができる。
「配線も電源も不要なら俺の愛車にも?」と、考えるマニアの方には(売ってくれればだが)少しは敷居が下がるのだろうか?
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