バスに限らず電車の中でイヤホンを使用して音楽を聴いたり動画を見たり、あるいはゲームを楽しむことも多いだろう。最近ではワイヤレスのノイズキャンセリングイヤホンもだいぶ安くなってきた。普通の使い方とともに、バスファン的な使用方法も紹介しよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】ノイズキャンセリングイヤホンは3つのモードを駆使する!
ノイズキャンセリングの方法とは?
今回使用したのはrealmeブランドの「Buds Air Pro」という、スマホでは有名な中国のOPPOから派生したブランドだ。本稿執筆時点で実売13800円の価格は廉価といえる。ケースにバッテリーが内蔵されており、使用しないときには収納していると本体に自動充電される、今や標準的なスタイルだ。
さて、ノイズキャンセリングとはどのような方法で実現しているのか簡単に説明すると、耳で聞こえる外部からの音(ノイズ)をイヤホンに付けられたマイクで拾い、その逆位相の音(反対の音と考えればよい)を作り出してイヤホンに送る。
この外部から直接耳に届く音とイヤホンから流れる逆位相の音を同時に聴くと音が打ち消しあって人間には聞こえなくなる。イヤホンにはスマホから送られてくる音楽などの音と逆位相のノイズが一緒に流れるので、差し引き音楽しか聞こえなくなるという仕組みだ。
この仕組みを理解すると、スマホと接続して音楽を流さなくてもイヤホンだけで「デジタル耳栓」が実現するのはお分かりだろうか。このような仕組みのために両耳のイヤホンにはマイクが必要で、その結果、スマホでの通話インカムとしても使用できる。
バスファンではない“普通の人”の使い方
本機にはノイズキャンセルモード・標準モード・トランスペアレントモードの3モードが搭載されている。通常の使用方法としては、ノイズキャンセルモードはバスに乗っていても音楽しか聞こえず、特に夜行バスでは快適な乗車ができる。
そして標準モードではノイズキャンセリング機能がOFFになるので、外部の音も音楽も聞こえる。
トランスペアレントモードでは、マイクで拾った外部の音を正位相で(そのままの音を増幅して)音楽とともに再送するので、補聴器とまでは言わないが、外部の音を積極的に大きな音で聴くことができる。これは路線バスに乗車中に斜内ナウンスが聞こえるので、乗り過ごし防止に有効だ。