乗りバスシリーズ、今回は都営バスの「波01出入」系統だ。都営バスで唯一、レインボーブリッジを渡ることができる系統で、品川駅港南口と東京テレポート駅前を結ぶ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
【画像ギャラリー】都営バスで唯一レインボーブリッジを渡る「波01出入」系統
導入されたばかりのMP、G833がやってきた!
波01は東京テレポート駅前から中央防波堤に行く、ほぼ関係者の通勤用路線だが、品川営業所から東京テレポート駅前までの送り込みに使われるのが「波01出入」だった。現在では波01は有明営業所の所管になっているので、厳密には海01の送り込みが「波01出入」と言ってもよいだろう。
さて、波01出入は品川駅港南口から出発する。品川駅が品川区にないのは有名な話だが、所在地は港区である。ここから出発する波01出入も台場まではすべて港区内を走る。最後の最後に江東区に入る。
物流倉庫が多く立ち並ぶエリアを通るとレインボーブリッジが間近に見えてくる。曜日や便によっても異なるだろうが、途中乗車もありほぼ座席定員いっぱいという乗車率だった。
レインボーブリッジは2層構造で、上層に首都高速道路11号台場線が、下層に一般道路である臨港道路とゆりかもめが走る。都営バスは一般道路を走る。レインボーブリッジを通る路線バスは比較的多いのでバスで渡ることは難しいわけではないが、都営バスではこの系統だけである。
ゆりかもめと勝負!
レインボーブリッジは下に航路が定められ大型船舶が通過するので高さがある。 そのためにらせん状の道路を駆け上り高さを稼ぐ。記者が乗車した便は新車で導入されたばかりの品川営業所G833・三菱ふそうエアロスターの担当で、軽快にこの「峠」を登っていく。
この車両は有明営業所に大量導入されたエアロスターの1台だが、五輪も終わり早々に江東ナンバーから品川ナンバーに変わり品川営業所に転属してきた。
レインボーブリッジの下層は橋げたがあるので絶景とはいかないが、左側に座れば景色は見える。一方、右側にはゆりかもめがあり、その向こうに逆向きの道路があるので景観は望めない。
しかし橋に差し掛かるとゆりかもめがやってきて抜きつ抜かれつの「デッドヒート」を繰り広げた。実際にはゆりかもめは自動運転なので、そんなことはないのだが、たまたま速度が同程度だったのでそう見えただけだ。その模様は動画でご覧いただきたい。
ゆりかもめと別れると波01出入は「お台場海浜公園駅前」に到着する。「東京国際クルーズターミナル駅前」からは江東区に入り、ゆりかもめの下をトレースするように走り、終点の東京テレポート駅前に到着する。