滑走路真横の交通過疎コンテナホテルへ乗りバス記!!

滑走路真横の交通過疎コンテナホテルへ乗りバス記!!

 空港に近いホテルといえば、前泊や後泊に利用するのに便利。公共交通機関がなければホテルが送迎バスを出して便を図るのが普通だろう。成田空港の滑走路脇にあるのに交通不便で、タクシーで行くと3000円もかかるとレビューで書かれていたホテルに記者が実際に宿泊して、航空便を利用してみた。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】交通不便なホテルに路線バスで挑んでみた!


空港に近いホテルは交通至便のはずなのに

 そのそも成田市は成田駅と空港以外は交通不便な場所が多い。自家用車の保有率が高く、空港へは交通至便でリムジンバスでも鉄道でもターミナルに直結できるのでさほど不便を感じることはない。周辺のホテルにしても独自の送迎バスを出しており、それを利用すれば無料で空港とホテルを往復することができる。

交通不便でも路線バスさえあれば!
交通不便でも路線バスさえあれば!

 成田空港の滑走路脇、ただし16R/34Lのそばなのでターミナルとは真反対に「HOTEL R9 The Yard 成田空港西」はある。

 各種レビュー欄には「空港から遠くて(記者注:ターミナルから)タクシーで3000円もかかる」といった交通不便なことが書かれている。もっとも知っている人は東京からの高速バスも付近に停車するのでそういう書き込みもある。

交通不便でも何でもなくバス通りにあった!
交通不便でも何でもなくバス通りにあった!

 同ホテルはコンテナ1つを客室1室にしているちょっと変わったホテルで、宿泊料金は安いが空港までタクシーで3000円もかかれば、周辺の少しお高いホテルに宿泊して無料送迎バスを利用するのと大して変わらない料金になってしまう。

航空利用なら前泊も後泊もあり得る話だ!
航空利用なら前泊も後泊もあり得る話だ!

 そこでバスファンであれば路線バスを駆使してどうとでもなるはずだと考えて、実際に航空便を利用する際に宿泊してみたが、付近のバス停を探すのにそれほど苦労はしなかった。

1時間に2本程度なら電車を絞ればOK!
1時間に2本程度なら電車を絞ればOK!

 最寄りの停留所はジェイアールバス関東の「三里塚」である。国鉄時代は自動車駅として駅舎も待合室も売店もきっぷ売り場も乗務員待機所まであった立派な「駅」だった。 これならばバスファンであれば成田駅から1本で行けることはすぐにわかるはずだ。

成田駅からの方がバス運賃は若干高いがトータルでは要検討!

 三里塚に至る経路は京成成田駅またはJR成田駅で鉄道を下車してジェイアールバス関東に乗車する経路で、この場合のバスの運賃は500円だ。 次に空港第2ビル駅または成田空港駅まで鉄道で行き、そこからジェーアールバス関東の逆向きのバスに乗ることもできるが、この場合のバス運賃は380円だ。

成田駅から三里塚までは500円
成田駅から三里塚までは500円

 もうひとつは芝山鉄道の芝山千代田駅前まで鉄道で行き、そこからジェイアールバス関東のバスに乗車する経路だ。芝山千代田駅から乗る方法と、地下道で空港敷地内に入り臨空ビル前から乗車する方法がある。いずれもバスの運賃は210円で、バス停の選択はダイヤに依存することになる。

 バスの運賃だけを見ると芝山千代田・成田空港・成田駅の順で安いのだが、京成には京成成田・東成田間に70円、京成成田・成田空港間に140円の加算運賃を設定しているためにバス運賃の安さは相殺されてしまう。

 芝山千代田に至っては京成線とは別に200円の運賃が必要なので三里塚には最も近いがトータルでは高くついてしまう。

三里塚から第1ターミナルまでは380円
三里塚から第1ターミナルまでは380円

 一方でJRの場合は加算運賃の設定はないものの、発地にもよるが基本運賃が京成の方が安く、東京方面からはそもそも乗車する距離がJRの方が長いので、運賃が割高になるケースがある。結局は京成成田・JR成田からバスに乗車するのが得策になるだろう。

次ページは : バスの乗車はJR成田駅前から

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