バス車両も中古で売りに出されることがある。そんなバスの中古車というのは、どれくらいの走行距離を重ねているのだろうか?
文・写真:中山修一
■マイクロバス 調査台数:31台
中古バスの各種販売情報から、一応そのままでも走る状態のバス車両をランダムで抽出。ジャンルごとに分け各車の走行距離を調べてみた。
まずは、自家用から送迎用・路線バスまで幅広く使われるマイクロバスだ。サンプルの中で走行距離が短い順に並べると以下のようになった。カッコ内は車両の年式だ。
トヨタコースター(2018):11,000km
三菱ふそうローザ(2002):16,000km
日産シビリアン(2003):24,000km
日産シビリアン(2017):25,000km
トヨタコースター(2018):27,000km
一般的な中古自家用車でよく見られるような走行距離の個体も普通に出品されているようだ。続いて走行距離が長いものを5台挙げてみると…
日野リエッセII(2008):189,000km
三菱ふそうローザ(2009):224,000km
三菱ふそうローザ(2002):281,000km
日野リエッセII(2016):324,000km
三菱ふそうローザ(2017):375,000km
…打って変わって、これが普通乗用車なら「ちょっとやめとくか」と思うほど距離が伸びている。31台分の走行距離を平均すると、119,600kmになった。
■中型・大型貸切車 調査台数:34台
続いて、送迎や貸切バス、観光バスに使われる中型・大型貸切車の走行距離を短いものから見ていこう。
日野セレガ(2019):8,000km
UDトラックス スペースランナー送迎仕様(2005):34,000km
日産+西工 送迎仕様(2006):65,000km
日野セレガ(2005):189,000km
日野セレガ(2016):192,000km
年式が比較的新しい割に8,000kmしか走行していない、バスとして見るならほぼ新車みたいな大型貸切車が1台見つかった。
ただしこれは相当レアケースなようで、年式を抜きにして「日野セレガ」の枠組みに絞ると、次に走行距離が短いものは10万キロ台後半だ。
では走行距離が長い貸切車はどうなっているだろうか。
三菱ふそうエアロエース(2009):1,033,000km
三菱ふそうエアロエース(2010):1,102,000km
三菱ふそうエアロクイーン(2005):1,250,000km
日野セレガ(2006):1,453,000km
日野セレガ(2007):1,787,000km
ゼロをひとつ間違えていると思いたくなるものの、紛れもなく100万キロ台である。いずれも貸切・観光バスを運行しているバス事業者が使っていた車両と見られる。
大型貸切車が軒を連ねるのは、性質上1運行あたりの走行距離が伸びる上に、使用頻度が高いためだろう。
このほかにも、メーター改ざん、メーター交換、メーター1週といった、もはやどれだけ走ったのか分からない車両もそれなりに出てきた。中古貸切車34台分の平均は655,300kmであった。
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