道路上では巨体の大型バスも 別の乗り物と比べるてみると……マジか!?

道路上では巨体の大型バスも 別の乗り物と比べるてみると……マジか!?

 自動車としてバスはかなり大きい。ではジャンルが全く異なる、そんなものと比べるほうがどうかしている乗り物を比較対象に持ってくると、どれくらいのサイズに相当するのだろうか……今日の相手は船だ!!

文・写真:中山修一
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■そもそも船はどこを見てサイズを判断するのか

もしも路線バスが「船」だったら?!
もしも路線バスが「船」だったら?!

 まず、船の大きさの目安を知るための数値的な情報は何だろうか。船体の長さや幅もそうだが、特に役立つポイントが「トン数」だ。

 単位の「トン」は15世紀のイギリスがルーツと言われている。もともとは船で輸送する際に使う、ワインを入れる大樽のことを指し、叩くとタンタン音が鳴ることから、樽の本数を表すのに「何タン」と呼ぶようになったらしい。

 当時の1タン(tun)の樽は約954リットル入りだった。これを100本積める船なら、その船は100タン、のように、タンは船の大きさを示す目安にも次第に使われ始めた。

 そしてタンは時の流れを経て「トン」に変わり、19世紀を境に今日のトン(t)へと発展していった説が有力だ。

 現在使われているトンには「メトリックトン」、「英トン」、「米トン」の3種類あり、日本で採用しているメトリックトンは1トンあたり1,000kg、英トンは1,016kg、米トンが907kgとなっている。

■船種ごとに変わる「トン」

 自動車で使うトンの場合、車両本体の重さを表しているのが普通だ。これに対して船はちょっと異なり、船種に応じて何種類かのトンが使い分けられている。

 まずは「総トン」という単位がある。これは船の中のスペース(容積)を元にトン数を割り出したもので、重さではなく大きさを表すのが特徴だ。総トンはフェリーなどの旅客船によく使われる。

 では今回のテーマである大型バスの中で、箱型の大型路線車のスペックから、総トン数をムリヤリ割り出してみることにしよう。

全長10mクラスの平均的な大型路線車
全長10mクラスの平均的な大型路線車

 本来の計算方法は物凄く複雑で、杓子定規にやると頭が痛くなってしまうので、ごく単純にバス車内スペースを直方体に見立てて、長さ×幅×高さから容積を計算してみる。

 大体9×2×2mくらいのスペースが取れると思われるので、容積は36立方メートルになる。これを換算表に当てはめると5.6トンの範囲が該当する。大型路線車の総トン数は「5.6トン」相当というワケだ。

次ページは : ■あふれた水の量が船の重さになる「排水トン」

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