バスの運転士不足の問題は根本的な解決策を見ないまま、いわゆる2024年問題の年を迎えようとしている。本誌およびネットに寄せられた声をもとに副業的にバスの運転士になることができるのかどうか調べてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■そもそもスポット運転士ってなれるのか?
寄せられた声の中には「待遇が良くないのは分かっているけど、免許は持っているしアルバイト的に副業としてならやってみたい」という層は一定数いる。ダメだダメだと批判するのは簡単だが、それらを理解した上で「助っ人運転士」ならやってもいいというリタイヤ組や、マニアの方はある程度存在するようだ。
少し前まではバス運転士というとフルタイムそれも契約社員という、いかにも待遇が悪そうで不安定そうな就業形態が多く散見されたが、さすがに現在ではフルタイムの契約社員では誰も応募しないので、正社員採用がほとんどだ。
正社員採用でも大型二種を持つ人の採用と、普通免許持ちから大型二種を目指すいわゆる「育成採用」の両方を用意している事業者も多い。育成採用を用意している事業者のほとんどが「普通免許だけでOK」となっているのが特徴だ。確かに普通免許だけを持っている人の方がはるかに多く、間口が広いのは確かだ。
■ではバイトはあり?
大手事業者でも正社員採用のほかにパートタイム運転士の採用をしているところはある。東京都内の事業者でも多くはないものの、あるにはあるので興味のある方は比較してみるといいだろう。
週当たりの就業時間により待遇は異なるが、これは就業時間による福利厚生(主に社会保険関係)が異なるだけで、時給は基本的に変わらないのが多勢だ。
さすがにパートタイムで育成採用はないが、大型二種をお持ちの方であれば月20時間未満でも運転士になれるようだ。細かい事業者内での規定やルールはそれぞれだろうが、時給だけを見てみると1500円くらいが多い。
■わかりにくい採用ページ
多くの事業者でホームページの中に採用情報を掲載しているが、ざっと見ただけでは非常にわかりにくく、別に隠しているわけではないだろうが応募者の希望とのミスマッチを感じる。
本誌に寄せられた声の中で多いのが、免許は持っているのでバイト(働き方改革で空いた短時間)での乗務なら副業なのでやってもいいというものだ。この条件に当てはまる事業者となると残念ながら多くはない。
都内の大手事業者で電鉄系だけを見てみたが、記者が選別した条件でバイト運転士として働けそうなのは京成バス、フジエクスプレス、東武バスの3社だけだった。ほかにもあるのかもしれないが、わかりにくく当該情報にたどり着けなかった可能性が高いことはお断りしておく。
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