大型二種免許を持っているバスマニアは結構存在する。しかし運転したくてもなかなかその機会がないのも事実だ。中には購入してしまう猛者もいるが、自動車学校で比較的簡単に欲望は満たせる。三菱ふそうのエアロバスも運転できるので実際の内容を紹介する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
取材協力:信州駒ケ根自動車学校
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■なにゆえハイデッカーが?
長野県の信州駒ケ根自動車学校にはエアロバスが4台もある。大型二種免許取得のための教習では11mの路線バスタイプ(同校では全車両がエアロスター)の車両を使用する。教習も検定も同じだ。エアロバスは12mなので基本的に教習には使用していない。
エアロバスが同校に存在する理由は別稿で詳報しているので、そちらをご覧いただきたいが要するに現役運転士や運転士の卵を事業者からの委託を受けて訓練するために用意している車両だ。
それらのバスは教習や事業者からの委託訓練のためだけではなく、「ペーパードライバー講習」としても利用できる。つまりマニアの方が乗りたいと思えば、同講習という形で運転の機会を提供しているわけだ。
■まずは駒ケ根まで行くのだ!!
東京から駒ケ根に行こうと思えば便利なのはやはりバスだ。バスタ新宿から4時間弱で到着する。相談によっては宿泊をともなう講習もできるが、校内には合宿免許用の宿舎を備え、ワンルームマンションやビジホ並みの居住性を確保している。
若い普通免許合宿生に特に評判なのは食堂だ。3食付くのだが、これがシンプルかつおいしいのが好評の理由だ。一流のシェフが限られた予算内で栄養管理されたメニューを提供している。宿泊をともなう講習受講の際はぜひ賞味していただきたい。
何もない場所だが、夜は星空を眺めよう。スマホでもシャッターを数秒開けるだけで満点の星空を撮影できるので、きっといい思い出になるはずだ。
■まずは見極めから!
いくら免許を持っているとはいえ、あくまでもペーパードライバー講習なのでまずは希望する車両で場内を走る。おなじみの大型二種免許取得の時に山ほどやった課題を指導員の指示でこなして、技量を見極めてもらう。不足であれば場内練習を続けることになるが、免許を持っているのでそれほど時間を費やすことはないだろう。
ただし、場内コースはあくまでも11m車教習用に法律で定められた規格で作られたものなので、12m車が通過するには若干キツイ課題がある。しかし、それをこなしておかないと、路上に出て困ることになる。全長1mの差は重要なのだ。
指導員の見極めで大丈夫との判定が下されれば、いよいよ路上に出る。エアロバスは教官席と補助ブレーキを備えているので、その点は通常の教習車と同じで、12mハイデッカーでトップドアという点だけが異なるので安心してよい。
路上に出る前に一応、運転免許証を提示して有効性を確認してもらう。すでに免許を持っているので「仮免許練習中」のプレートは当然ない。エアロバスの場合はLED方向幕は「高速 新宿」ではなく「講習中」と表示される。
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