■まずは見極めから!
いくら免許を持っているとはいえ、あくまでもペーパードライバー講習なのでまずは希望する車両で場内を走る。おなじみの大型二種免許取得の時に山ほどやった課題を指導員の指示でこなして、技量を見極めてもらう。不足であれば場内練習を続けることになるが、免許を持っているのでそれほど時間を費やすことはないだろう。
ただし、場内コースはあくまでも11m車教習用に法律で定められた規格で作られたものなので、12m車が通過するには若干キツイ課題がある。しかし、それをこなしておかないと、路上に出て困ることになる。全長1mの差は重要なのだ。
指導員の見極めで大丈夫との判定が下されれば、いよいよ路上に出る。エアロバスは教官席と補助ブレーキを備えているので、その点は通常の教習車と同じで、12mハイデッカーでトップドアという点だけが異なるので安心してよい。
路上に出る前に一応、運転免許証を提示して有効性を確認してもらう。すでに免許を持っているので「仮免許練習中」のプレートは当然ない。エアロバスの場合はLED方向幕は「高速 新宿」ではなく「講習中」と表示される。
■隘路でも山道でもご随意に!
学校を出る際には段差があるのでニーリングボタンを操作してエアサスを上げないと底をする可能性がある。そんな操作もしつつ、いきなり狭い道路に右折して「運が良ければ」大型車との行き違いを経験して、坂道の信号で停車することになる。
今のバスはワイヤー式のハンドブレーキではないので、ホイールロック式のサイドブレーキを操作しての坂道発進はかえって面倒だ。無理がなければ半クラッチで華麗に発信しよう。13000ccディーゼルエンジンのバスは簡単にはエンストしない。
あらかじめ希望を伝えて相談しておけば、学校側でコースを組んでくれる。街中でもバスベイでも郊外道路でも山道でも狭隘路でも、たいていのシチュエーションは駒ケ根市内にはある。同市内の路線バスは1路線しかないので、バスとすれ違う場合は決まって同校の路上教習中のエアロスターか、高速バスだ。
■1mの差の大きさ思い知らされる
プロの運転士でも11m路線車から12m高速車に乗り換える際には躊躇するほどなので、同校が訓練を請け負っているわけだが、このたった1mの差が大きいことは場内での見極めや路上での特に左折時やカーブ通過時に思い知ることになる。
12m車はたいていの場合、ホイールベース(前後輪の間の距離)が長いので、内輪差が大きくなる。よって左折時には大きく前に出さないと左後輪が縁石に乗り上げてしまう。カーブでもなるべく前をギリギリまで出しながら曲がらないと後輪が中央線を確実に越える。対向車がいる場合は特に注意しないと接触する危険がある。
乗用車が交差点の停止線を越えて信号待ちをしていることがあるが、あれがいかにバスにとって曲がりにくいことなのかを知るために、普通免許所有者にも機会があるのであればバスを運転してもらいたいのが記者の感想だった。
実際に大型車を運転してみないことには、なぜあんなに奥まって停止線が引かれているのかがわからないだろう。大型二種持ちの方は当然ご存じのはずなので、停止線は守っているはずだ。
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