種類がいくつかある路線バス用の車で、最近は数が減った印象が強いながらも、まだ各地でたまに見かけるのが、ポンチョ以前の「小型バス」だ。
文・写真:中山修一
(幅広で物凄く短い路線バス車両の写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■出会うと和む、超短いバス
あまり利用者のいないローカル線区や、狭い場所を走る路線バスなどに使われる、マイクロバスよりも大きいバス車両といえば、最近はもっぱら丸みのある車体に丸目が特徴の「日野ポンチョ」だ。
ポンチョのような車は、運転するには大型免許が必要であるが、バスのサイズ分類では小型バスの枠組みになる。ちょうどマイクロバスと、全長9mクラスの中型路線車の間を埋める規格だ。
そのポンチョが登場する前にも小型バスは存在していた。なかでも箱型車体の中型路線車をベースに、全長を2mほど短くした、幅2.3m・長さ7mクラスという車が独特なキャラクター像を持っている。
前から見る分には中型路線車と大して変わらないが、横から見ると「うわ短っ!!」と声に出そうなほどの車体寸法に戸惑いつつも、チョロQにも似た寸詰まり感に微笑ましさを覚えるのが、このクラスの車の魅力といえる。
■まだまだ現役!! ちょっと昔の小型バス
中型路線車顔をした短い小型バス車両も、ポンチョが後を継ぐような形で製造を終えて久しく、年々数が減っている印象が強い。
とはいえ、全国各地でバスウォッチをしていると、旧規格の小型バスがまだ現役で頑張っている姿を、ごくたまに見かける。
今回は2024年11月〜25年2月の間に出会った、ポンチョ以前の短いバスを3台紹介しよう。
■沖縄・本部半島のレインボー
1台目は沖縄県。沖縄本島北西部の本部半島で活躍している1台。地元の路線バス事業者・やんばる急行バスによる「YKB-4T系統」で使われていた車両だ。
車種は2003年式とみられる日野レインボーHRの7m車。全体的に角張ったスタイルの車体に角目4灯ライトの顔。車両側面の中央付近に非常口があるのも特徴だ。
元々は千葉県の千葉内陸バスが導入したもので、2020年代に入って沖縄にやってきたらしい。車内には千葉内陸バス時代の面影が残っているので、見つけて観察するのも楽しい。
白色と紫(さつまいも?)色の2台があるようで、利用した日は白色に乗車、途中で紫色のレインボーHRとすれ違った。
■愛知・渥美半島のエアロミディ
2台目は愛知県・渥美半島に伸びる、豊橋鉄道渥美線の終点・三河田原駅前に停まっていた短い小型バス。
車体のロゴを見ると、駅周辺の日頃の足代わりを担うコミュニティバス「ぐるりんバス」専用車だと分かる。運行は豊鉄ミディ。
中型路線車のボディを切り詰めたスタイルが、いかにもなポンチョ以前の小型バスの姿形をアピール。
角目4灯ライトで、フロント部分が少し丸みを帯びたデザイン。前述のレインボーHRと異なり、非常口はリアタイヤの上に小さめの扉が付いている。
こちらは、三菱ふそうが過去に製造していた「エアロミディMJ」という車種の7m仕様。2002年式で、元々は名鉄バスで使われていた1台だったようだ。
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