1976年にデビューした日野 レインボーAM100。先代のBM320系をフルモデルチェンジし、新型として登場したレインボーAM100を、難波有氏が所有する発売当時のカタログを見ながら振り返ってみよう。
●車両データ:日野 レインボーAM100
(記事の内容は、2022年5月現在のものです)
執筆/バスマガジン編集部 カタログ提供/難波有
※2022年5月発売《バスマガジンvol.113》『懐かしバスのお宝カタログ』より
■十分な輸送能力とエンジンパワーがカタログから読み取れる
このAM100日野 レインボー、1976年にデビューした日野レインボーAM100。先代のBM320系をフルモデルチェンジ、新型として登場した。
種別としては小型だが、キャブオーバーのエンジンレイアウトでありながら、スケルトンボディ構造で成型され、車体幅は2.2mと、当時の中型バス並の全幅になっていた。全長は7.0mなので、現行車でいえば日野ポンチョと同等の平面積というサイズ感だ。
パッケージングとしては、現在の小型キャブオーバー車の基準のような感覚で、29名の定員を乗せ、直6.5L、130psのEC100型エンジンで走行、なかなか余裕のある走りだったのではと思われる。
用途としては主にレンタカーや自家用を中心として、観光や路線仕様ももちろんラインナップされていた。さらにこのカタログでは、移動公害車、医療検診車といった特装車としての利用も提案されている。
フロントマスクは、当時の中型トラック・レンジャーの意匠を踏襲したイメージで、ちょっと厳つい感じだが、特装車の場合はむしろ頼もしさを感じる。
カタログではヨットハーバーをバックにしたシーンや、若い男女がレジャーへ向かうといった、楽しい情景が紹介されている。真っ赤な4列のモケットシートが車内を飾り、補助席の設定も見られるあたり、ユーティリティ性能の徹底にも力が入っていたと思われる。
ハイバックシートの運転席も客席と同じモケットで構成され、ニョキッと床から伸びたシフトレバーに時代を感じるが、2〜5速シンクロメッシュ付きトランスミッションの操作性は、良好だったはずだ。
分割フロントウインドーは、この時代の標準仕様。合掌スタイルのワイパーがバスらしい印象。キャブオーバーならではの特徴として、後部トランクに荷物を積み込むシーンも紹介されている。
デビュー5年目となる1980年にエンジンを145psのEH100型に換装し、型式をAM101に変更、事実上のモデルチェンジとなった。そして1979年排出ガス規制適合の際、型式がK-AM101となった。
その後1983年の排出ガス規制適合のためのマイナーチェンジ時に、シリーズ名はAMからACとなり、次世代へとバトンが渡された。
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