駅名が「新○○」な新幹線駅と、「○○」の部分の元になった名称を持つ在来線駅。お隣同士のような駅名が付いているだけに、2駅間を繋ぐ直通タイプの交通機関が用意されていそうなイメージを持つが……今回は新横浜駅〜横浜駅間における直通交通の現状をリサーチ!
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、新横浜駅〜横浜駅直通交通の写真があります)
■新横浜駅と横浜駅
今回のテーマは、神奈川県横浜市にある東海道新幹線の新横浜駅と、同市の中心地に位置している横浜駅の直通アクセス事情だ。
新横浜駅は、横浜中心地への連絡を兼ねた停車駅として計画が始まり、1959年に既存の国鉄線である、横浜線の小机〜菊名間が駅の所在地に決定。新幹線の線路が横浜線の線路の上をクロスする地点に、新横浜駅が作られることになった。
この地点が新横浜駅建設地に指定されたのは、横浜駅に新幹線の駅を作るスペースが既になかったことや、線路をより直線的に敷けること、1964年の東京オリンピックに完成を間に合わせるための工期の都合、などがあったと言われる。
同地点で新幹線から横浜線に乗り換え、中心地の横浜まで容易に移動できるよう、横浜線の駅もこの時に併せて建設された。
東海道新幹線/横浜線の新横浜駅ともに、新幹線の東京〜新大阪間の営業運転開始と同じ日の、1964年10月1日に開業した。
新横浜駅は、東京や遠方から新幹線で来た際、横浜の中心地までを繋ぐための橋渡し役を務めるよう期待されていた。そんな役割から、全国的に伝わりやすい「横浜」の地名は外せなかったのかもしれない。
とはいえ、直線距離で約5km離れた、従来の横浜駅と直接の関係を持っているわけではないようで、駅名のほか共通点を挙げるなら、2駅とも所在地が横浜市内、くらいに思える。
■新幹線が作った横浜の町
今日の新横浜駅(特に北口)周辺は、新幹線の乗り換え客を始め、駅から徒歩圏内にオフィス街やテーマパーク、スタジアム、アリーナ等が点在する大きな街だ。
しかし、新横浜駅が作られる前の同地は、一面に田んぼが広がる“なにもない”場所であり、駅を作ってから街を広げた経緯を持つ。
1975年に駅前周辺の地名が「新横浜」に変わっており、その由来は駅名から。言うなればこの地域、新幹線が作った横浜の街、というわけだ。
ちなみに新横浜駅の新幹線と横浜線のホームが建っている所在地は、新横浜ではなく篠原町なので、ちょっとややこしい。
■充実した直通アクセス
その後横浜市営地下鉄の延伸や、相鉄線・東急線の新駅ができたりと、新横浜は交通の要衝としても飛躍的に発展した。
新幹線駅開業から61年経った2025年現在、果たして新横浜駅は依然、横浜への連絡口として機能していて、直通タイプの移動手段がしっかり用意されているのだろうか。
電車関連の動向を見ると、JR化後は新幹線駅がJR東海、横浜線の駅がJR東日本の持ち物になり、同じ場所にありながら、新幹線と在来線とで所有会社が異なるタイプの駅になっている。
まずは旧来からの横浜線を使うパターンであるが、こちらは今も新横浜〜横浜間の主要アクセス手段だ。
横浜駅まで直通する横浜線の列車が10分おきくらいに出ており、快速12分・各停13分ほどで行けるため、2駅間の移動には苦労しないはず。
横浜線のほか、地下1・2階にある横浜市営地下鉄の新横浜駅も、横浜駅まで直通しており、所要時間12分で結んでいる。こちらも本数は10分おきくらいだ。
コメント
コメントの使い方