旅行で観光地に連泊した2日目(ナカ日)に、現地で何をして過ごすか考えるのは楽しみであり課題にもなる。そんな時、定期観光バスという選択肢が良好なソリューションに繋がることもアリアリなのだ!!
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、知床定期観光バスの現地撮影写真があります)
■知床を走る定期観光バス
今回注目するのは北海道の東。いわゆる「知床」と呼ばれるエリアの代表格である知床半島の西側にあるウトロの町だ。
ウトロは温泉をはじめ、周辺を大自然に囲まれた見どころ溢れる観光地。眺めて楽しむ場所に富む、ということは現地集約型の観光バスのひとつでも走っていそうな気がするが、チェックしてみればちゃんと用意されていた。
知床を走るのは、地元のバス事業者である斜里バスが、春〜秋にかけての期間限定で運行している定期観光バス「知床浪漫ふれあい号」だ。2025年シーズンは4月28日〜10月31日まで。
■時刻表に載っている観光バス
斜里バスの定期観光バスには、A・B・Cの3コースがあり、ウトロに滞在する際は周辺エリアを巡るBコース(ニタイピリカ)が利用しやすい。
バスは予約制で、利用時はWeb経由で簡単に手配できた。お値段はBコースが3,300円。ちなみに「定期観光バス」をバスの種類で言うなら路線バスの枠組みに入るものが多い。
そのためか、現地のバスの拠点である、ウトロ温泉バスターミナルに掲示されている時刻表を見ると、予約制ながらも普通の路線バスと同列に発車時刻が掲載されていて面白い。
■基本に忠実、そこがウレシイ
Bコースは、朝10時頃に周辺のホテルを回って参加者をピックアップ、各スポットを巡りつつ、ウトロ温泉バスターミナルへ14時過ぎに戻ってくる、約4時間・合わせて50kmくらいの行程。
降車できる見学地に、知床峠、知床自然センター(フレペの滝)、知床五湖がある。これら3カ所はレンタカーやマイカーで移動する際も、知床エリアでは定番にして見逃せない絶景系の見学スポット。
そこをバスに乗るだけで、知床に来たらいつも押さえておきたい所を手堅く押さえられるのは嬉しい限りだ。
■観光バスならではの魅力
Bコースにはガイドさんが添乗しており、バス乗車中は通過する場所にまつわる話題をコミカルに紹介してくれる。
ガイドさんの存在は大きいもので、もし個人旅行で同じところを通った場合まず気付かないであろう、マクロながらも目からウロコな知見が身に付いて、ちょっと得した気分に浸れるのは観光バスならではの魅力。
また、移動中はガイドさんが現地の話題を紹介してくれつつ、降車ポイントに着いたら出発時間までご自由に散策を、となる付かず離れずなサービス内容が、個人的には絶妙なバランスに思えて居心地がよかった。
■ツアーの後まで満足
4時間ほどの短い行程で、必要な持ち物も特にない(あの巨大な動物が気になる向きは鈴の一つでも)ため、手ぶらで行けるほどのカジュアルさで参加できる。
実際のところは、ツアー中に紙物やお土産ほか細かなアイテムが増えることもあるので、簡単な手提げ袋を持っていくと便利。
さらにBコースでは、なんとお土産まで付いてくるのだからキメが細かい。乗った後まで満足の続く、頼んで正解な日帰りバス旅が楽しめる……知床の定期観光バスは、連泊ナカ日を丁寧確実に埋めてくれる最高のチョイスに思えた。
【画像ギャラリー】定期観光バス「知床浪漫ふれあい号」Bコース(17枚)画像ギャラリー
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