特急電車もしくは高速バスで移動するのがセオリーな札幌〜旭川間。ここを一般道オンリーな路線バスだけで行こうと思った場合、2025年現在はバスの減便や廃止が重なり一見到達不可能なほどに……そんな壁だらけな状況下、果たしてまだ行ける道が残っているのか現地へ様子を見に行ってきた。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、札幌〜旭川路線バスチャレンジの現地撮影写真があります)
■オトナの事情で逆向きに
現地へ行く前、札幌〜旭川間を一般道オンリーな路線バスだけで繋ぐにはどんなルートが考えられるかシミュレートしてみて、結果を別エピソードで紹介した。
素直に行けないのはシミュレーションの時点で見込みが立った。一方その際、進む方向を札幌→旭川に想定していて、実践的なレッスンもそのつもりでいた。
ところが、チャレンジ決行にあたっては札幌前乗りが必須。そのまま泊まれば良いと思いきや、タイミング的な問題か宿泊費が天井知らずに高騰していて、予算オーバーもいいところ。
翌週にずらせば多少は落ち着く印象。とはいえ既に出発日を変えられなかったため、先に他の訪問予定地でのロケを済ませてしまおうと考えた。
そうなると旭川→札幌のほうが好都合になり、結果逆向きルートで臨む流れに。旭川発はちょっとした罠があるんだけど、先立つモノが無いなら虎穴に入らずんば。
■旭川発に潜む罠
旭川発に潜む罠の正体……それはローカル路線バス主体となるゆえバスの極細ダイヤに阻まれ、1日では札幌に辿り着けないという巨大な壁を必ず越えないとダメなのだ。
着くのが遅すぎず出るのも早すぎない、程よい着地点を探したところ、旭川から電車でまっすぐ行って約61km地点の砂川がベストだと判断。
砂川は通り過ぎることは多々あれど、降りたことがなかったのでちょっと楽しみでもある。しかも超高額な宿泊費を払って当初の札幌発を押し通すより総額が渋沢単位で安いので、これはこれでエンタメが一つ増えたと思っておこう。
■有り余る時間でバス遊び
1日目は旭川を朝9時頃に出発。路線バスで移動する際のセオリー通りな行き方に挙げられるのが、訪問時の2025年9月中旬時点ではまだあった、旭川駅前〜深川市立病院前間を結ぶ、空知中央バスの「深旭線」を使う方法だ。
その後、深旭線は9月末に廃止されてしまったが、ほぼ同じ区間を沿岸バス/道北バスによる、留萌方面へ向かう「留萌旭川線」が通っており、そちらで代用できる。
当日は出発時点で砂川泊まりが確定しており、真っ直ぐ向かっても時間が余ってしまう状態。バス遊びでもしながらダラダラ進めないかと路線網を思い起こせば、ちょうどいい候補があった。
一旦旭川駅前発の道北バス名寄線に乗って北上、名寄でJR深名線のバスに乗り換えて深川に下りる、約220km遠回りしていくダイナミック迂回ルートだ。
220km分だけ運賃はかかるものの、名寄線/深名線ともにバス旅で使うには、乗りごたえのしっかりした好路線なので、時間があるなら寄り道する価値はある。
■4つの路線を乗り継ぐルート
続いては経路をダイジェストにて。1日目は以下のルートを選んで進んだ。
【1】旭川駅前→(道北バス 名寄線)→名寄駅前
【2】名寄→(JR北海道バス 深名線)→深川→(徒歩)→深川市立病院前
【3】深川市立病院前→(空知中央バス 滝深線 雨竜経由)→滝川駅前
【4】滝川駅前→(北海道中央バス 歌志内線)→砂川市立病院
旭川9:10発で、砂川市内に18:50に着く9時間40分の行程になった。








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