長距離高速バスはいつ給油してる? バスの燃費と燃料タンクの話

はかた号は営業中に給油していた!

 東京・新宿と北九州・福岡を結ぶ西日本鉄道の「はかた号」は、以前は営業運転中に途中のサービスエリアで給油していた。現在では大型の燃料タンクを積むことができるバスで、燃費も改善したことで無給油で走ることができるが、1000kmとなると途中給油は不可欠だった。

西日本鉄道の「はかた号」
西日本鉄道の「はかた号」

 まだ京王電鉄(当時)との共同運行で中央道経由だったころに、上り西鉄便に乗車したことがあるが、乗客が寝ている時間帯に途中のサービスエリアで運転士の交代と休息、車両点検を行った後にガソリンスタンドに入り給油していた。

燃料と高速だけで推定7万円?

 軽油はガソリンよりも安いが使用量がハンパでないので、たとえば「はかた号」のような高速車で燃費が3.5km/lだとすると、約285リットルの燃料を消費することになる。軽油の値段を135円/lだと仮定すると3万8500円くらいが燃料費だ。

燃費は燃料代に直結するだけに事業者も気になるところ?
燃費は燃料代に直結するだけに事業者も気になるところ?

 高速料金が初台南(首都高速)から北九州市の冨野(北九州高速)まで走って、大型車ETC割引で2万5910円。さらにあと2回の北九州高速と、九州自動車道に福岡高速の通行料金がかかる。これだけの経費ですでに7万円程度になる。

 運転士2名の人件費や車両の償却、さまざま諸経費を加えると、個室を合わせた座席数22で3列シートの最安運賃9000円、個室の最高運賃23000円は決して高いとはいえず、燃費が運行効率にストレートに影響するのがイメージできるのではないだろうか。

 今やLCCが並行して飛ぶ区間では、最も早くて安い移動手段が航空機になっているので、そういう区間では選択はしにくいかもしれないが、目的地や運行ダイヤによっては高速バスが便利なこともあるので検討してみてはいかがだろうか。

【画像ギャラリー】長距離高速バスは給油しなくても大丈夫? 路線車・高速車・ダブルデッカー車(7枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。