駒ヶ根バスターミナルは高速バス専用?
駒ヶ根バスターミナルは建物の1階部分をスルーするような形状なので、バスは一度建物の裏側に回りターミナルに入り降車扱いをする。1面1線なので伊那バス駒ヶ根車庫行きも、新宿行きも同じ場所に停車する。
以前は建物の中に発券施設や待合室があったのだが、現在は閉鎖され発着ホームにベンチが置かれているだけである。伊那バスのターミナルだが、伊那バスに駒ヶ根市内線はほとんどなく、つまり駒ヶ根市を走る定期の路線バスはほぼ高速バスのみという状況になっている。
もっとも駒ヶ岳ロープウェイに行く路線バスはあるが季節運行だ。駒ヶ根市民はどうやって移動しているのかと聞いてみると、運転免許を持つ人は自家用車、通学は飯田線で駅までは自転車か原付か家族が自家用車で送迎するのが一般的だとのこと。
では若い人が遊びに行くときは飯田線や中央線を乗り継いで松本や長野に行くのかと問えば、高速バスで新宿または名古屋に行ってしまうとのこと。なるほどバスの需要はあるはずだ。
復路は伊那バスのセレガ
ところで、この伊那線は非常に多くの事業者が参入している。京王バスと当地を営業区域に持つ伊那バスはもちろんだが、飯田市の信南交通に中央道沿線の山梨交通と富士急系のフジエクスプレスまで運行に参加している。
さて、帰りの便は駒ヶ根バスターミナル13時発の便で、伊那バスの担当便だ。伊那バスも日野セレガだが、Sシートという前方に2列だけ3列シートを装備した車両がやってきた。
Sシートは一般の4列シートを1+2または2+1の3列に配しただけで、特に3列シートのために座席幅が広いわけではない。駒ヶ根バスターミナルから一般道のバス停をいくつか停車して、伊那バスターミナルを出る頃にはほぼ満席になっていた。
記者が乗車した日は減便ダイヤになっていたが、これだけ乗車があるのであれば、そろそろ通常ダイヤに戻してもよさそうなものだ。
チャンスアライアンスメンバー?
そして伊那バス車内ではさかんに「チャンスアライアンス」の案内放送が流れていた。これは京王バスが提唱した中央高速バスの連合体だ。航空会社のエアラインアライアンスと似たようなものだが、当の京王バスでは1度も案内を聞くことができなかったのが面白い。
新宿到着時の放送では「チャンスアライアンスメンバー、伊那バスにご乗車いただきまして…」と、スターアライアンスだがワンワールドだか、なんだかどこかで聞いたことのあるような航空機風の自動放送が流れておどろいてしまった。
ロープウェイを使って気軽に楽に東京や名古屋から登山するには重要なベースキャンプになる駒ヶ根市。ちょっといい景色を見に行ってみてはいかがだろうか。
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