台東区「めぐりん」
上野公園外周をぐるっと回ったので、次は公園の中を回るバスに乗るために「めぐりん」の停留所がある上野駅公園口停留所までやって来た。では「めぐりん」を改めて紹介する。
台東区のコミュニティバスは地域の交通不便地域の解消を目的に、平成13年に浅草エリアからスタートし現在では5路線が運行されている。使用車両も日野ポンチョから、三菱ふそうエアロミディ、いすゞエルガミオまで多種多様だ。
起終点はコミュニティバスの定番である役所で、台東区役所だ。運行形態はコミュニティバスで多い一筆書きだ。
「めぐりん」で研究する!
今回利用したのは「東西めぐりん」で、上野公園一帯をめぐっている。公園口停留所から一つ乗ると国立科学博物館だ。自然科学分野だけではなく考古学や美術にも通じる研究ができるだろう。
この博物館は日本最古であり、文化財を中心に展示館別に美術、考古、特別館などにわかれていて収蔵品も多く、何度訪れても新たな発見がある著名な博物館だ。今年は創立150年を迎えるようだ。この博物館の角の信号付近にも歴史を感じさせる建造物がある。
かつて京成電鉄の駅だった場所で、駅名は博物館動物園駅だ。この駅は1997年に営業を休止し、その後の2004年に正式に廃止になった。2018年に鉄道施設としては初めての「東京都選定歴史的建造物」に選定された。ちなみに南側にも駅舎の跡はあるが、そちらはあまりクローズアップされていない。
博物館の南側の敷地中には東京都美術館もある。こちらは東京都がアートへの入口としたテーマのようになっている。この次の停留所は旧東京音楽学校奏楽堂を経て、寛永寺停留所に至る。寛永寺を過ぎるとバスは谷中周辺まで足を伸ばし、先述した不忍通りに出て不忍池を周り京成上野駅に出る。
京成上野駅停留所と有名な銅像
めぐりんは京成上野駅前停留所に停車する。ここで降りて有名な銅像を目指すことにした。目の前の階段を上がると、その方の銅像が見えてくる。西郷隆盛だ。
言わずと知れた幕末から明治にかけて活躍した薩摩藩士だ。もう一つ銅像があり、こちらはあまり知られていないのかもしれないが、野口英世だ。福島県出身の医師で、黄熱病研究に心血を注ぎ、千円紙幣の肖像にもなった。これら幕末から明治の偉人を研究するのも面白い。
その他のスポット
他には上野公園停留所すぐのところにある下町風俗資料館がある。こちらは台東区立の施設で、下町の古き良き時代の文化や、伝統などを後世に伝えるための資料館である。
もう一つは明治の文豪、森鴎外の居住地がある。都電のあった児童遊園から公園の敷地に沿って歩くと突き当りにある。現在はホテルになっているが、めぐりんの鴎外旧居跡停留所が便利だ。
歴史ある上野恩賜公園一帯は、文化や歴史が丸ごと詰まっている。もちろん散策や子供たちとの行楽にも良いスポットだ。公園全体としては有名なスポットだがバスで巡ると停留所が細かにあるので新たな発見がある、残り少ない夏休みで思い出作りや自由研究に、バスで巡ってみてはいかがだろうか。
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