園バスでは?
この間に最近は小さめの車両になった園バスは、1回で園児を運ぶことはできないため複数のルートで往復している。すべての運行が終了した際には運転手が最終の車内点検・確認するのが普通だ。
ここで第二のエラーが起こりやすい。園バスの運転士が車内点検と確認を忘れる、あるいは毎日行う慣れから点検を行ったと思い込むといった具合で、あの狭いワンボックスカータイプの園バスでも気が付かずに不幸な事故が起こってしまう。
プロ用汎用機器を生かす!
レゾナントシステムズでは、大型バスに採用されている信頼性のある機器類を生かして回路や仕組みの設計を行った。単なる警告を発するシーケンスだけでは、手元で解除されてしまえばおしまいだ。
そこで非常にアナログ的ではあるが、物理的に車内を点検・確認しないとリセットできないようにした。
園バスの運転手は比較的高齢者が多いことから、同社の音声技術を生かして具体的に何をするのかが音ではなく音声で発せられる。単純なアラームとは違うところがミソだ。
その確認を怠ると強烈な音量で警報音が発せられる。記者もデモ機で聞いたが、あれでは園内の全教諭に聞こえることだろう。
もちろん、大型バスとは違う点にも留意した。大型バスの電源は直流24ボルトなので、ワンボックスタイプの乗用車を利用した園バスの12ボルト車にそのまま取り付けても電圧不足で動作しない。
一方で小型のマイクロバスタイプでは24ボルトなのでそのまま使える。このように幼稚園の事情により異なる電源の違いにも対応できるように複電圧に対応している。
すべては園児の安全のため
同社では日本全国から施工を受け付けるが、ここでもバス事業者との協力関係を生かして、地方でもバス整備工場等の施工可能な場所を紹介したり手配したりする。
後付けで乾電池内蔵で面ファスナーテープででも設置できそうだが、大型バスと同様にプロの施工が必要な理由は、装置自体のエラーを防ぐためだ。プロの配線は断線の可能性を排除し、電源の取り方や接地方法を検討して誤って大電流が流れないように保安することにより、確実に動作し誰にでも安全な装置を提供する同社の考えでもある。
直流12ボルトは乾電池でたったの8本分の電圧だが、鉛蓄電池から車内で短絡(ショート)して大電流が流れると電気火災が起きるほどの実は怖いレベルの話なのだ。
同様の機器を開発しているメーカーは多いはずだが、とにかく1台でも多くの園バスに1日も早く同様の機器が設置されて、安心して幼稚園に通えるようになってほしいと願うばかりだ。
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