■山陰の主要都市をカバーしながら…
目が覚めたのは車内アナウンスが流れた頃だった。時刻は5時30分を少し過ぎたあたりで、最初の停車地である米子駅が近くなってきたようだ。車内灯が点くので、その明るさであちこちからシートを起こしたり降りる準備をしたりする物音が聞こえてくる。米子駅には5時45分で定刻より5分ほど早着だった。
米子駅で10名弱が降車した。車内にずっといたので外の様子は一切分からなかったが、筆者の座っている座席は1階の扉も見えるような吹き抜けの横なので、扉が開くと冷気が入ってきて寒さを感じる。続いて松江駅には6時20分に到着、ここでも何人かが降車した。時刻表ではこのあと玉造、宍道、斐川インターと止まっていくが、この日は降車する乗客がいなかったようで通過した。
そして終点である出雲市駅には7時10分、約15分ほど早着した。降りた出雲市駅は曇り空でとても冷え込んでいた。多くの乗客は預けていた荷物を受け取ると、足早に駅の中へと消えていった。また何人かは隣のバス乗り場から出雲大社行きの路線バスに乗り換えていたようだった。筆者も回送となって駅を出て行くエアロキングを見送った後に出雲大社行きのバスに乗車した。
■JR同士の転属で実現?
今回は二階建てバスの「三菱ふそうエアロキング」が復活した路線である出雲・松江・米子ドリーム名古屋1号に乗車した。エアロキングはバスファンの間でも人気の車両であるが、メーカーとしては既に生産を終了しており、経年から徐々に姿を消していくことが度々話題になる。
それだけに再び高速バスに戻ってきたのは喜ばしいニュースだ。「出雲・松江・米子ドリーム名古屋」線は人気が高まっているようで、繁忙期の需要増に対応するために通常のタイプのバスより収容力のあるダブルデッカー車の導入を決めたという。また新車の導入よりも比較的安い中古を購入できたというのも大きなポイントだろう。
SNSでは今年2月までジェイアール東海バスで活躍していた車両なので、ジェイアールバス同士の「転属」で活躍する姿を見れるようになったという印象だろうか。今回は座席の位置にこだわって乗車したが、安定性という面では1階席が、運賃は高いが2階席前方の「ビジネスシート」もサイズアップしているので寝心地という点ではこちらをお勧めしたい。
また今回乗車したバスは夜行なので、カーテンは閉じられたままだが、路線や事業者、あるいは車両のタイプにより、それぞれ異なった乗り心地や雰囲気が楽しめるはずだ。ぜひお気に入りの座席を見つけて予約時に思いっきり楽しく悩んでいただきたい。
【画像ギャラリー】エアロキングが東海から中国への転属で復活したってマジ?今のうちに乗っておきたい国産二階建てバス(14枚)画像ギャラリー
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