どんなものにも寿命があり、いつかはその役目を終える。バスもそうであるが、その瞬間に立ち会うということはなかなかない。バスのお別れツアーというのに参加したことはあるが、今回は撮影会の様子をレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■エアロキングを撮りに行く!
5月25日の土曜日、やってきたのは愛知県名古屋市にある、あおなみ線小本駅である。ここから歩くこと数分で今回の会場であるジェイアール東海バス・名古屋支店がある。
日差しが強く暑い日であったが、オープンの30分以上前から熱心なファンが行列を作っていた。筆者もその列に並んで13時のオープンを待った。係員の案内により重厚な門が開くと存在感のある大きなバス3台の出迎えだ。受付で参加料を支払い、早速撮影へ向かう。今回はエアロキングの撮影会である。
経年で徐々に活躍の場を減らしているエアロキングだが、生産終了年に導入された2010年式で最後にJR東海バスにやってきた3台だ。そして2024年2月末をもって所有している最後の3台744-10991、10992、10993号車が定期運用から外れた。
■3台そろい踏みの最後の姿!
ただ744-10991号車は約1年の延長運転が決まり、今後イベントや主催ツアーで乗車できる機会が残ったが、他の2台は6月で完全に引退ということなり、今回はエアロキングを3台が揃う最後の撮影会になった。
この日は午前と午後に分かれ、午前の部は30名限定で、午後の部は人数制限を設けずに開催された。車内見学やグッズ販売といったイベントも開催された。午後の参加料は300円とかなり良心的である。筆者もこれまで何度となく乗車したエアロキングには思い出もたくさんあるので、こうして揃った形で見ることができたのは感無量だ。
■最後に乗車した車両に再開!
向かって左から744-10991、10992、10993号車が展示された。撮影会ということで気に入った角度で撮影したり、また車内で家族連れが記念撮影をしたり、運転席に座り撮影する姿が見られた。筆者もそれぞれの車両の中を見学したが、744-10993号車は引退が決まってから乗車できた車両で、最後に乗車したエアロキングだった。
乗車が2月だったので3ヶ月ぶりの再会である。また筆者としては昼行よりも夜行としての利用が多かったので、明るい時間に車内を歩いて回れるというのもなかなか新鮮だった。
■好きなバス停で撮影できた!
建物側に置かれた744-10991号車は5月3日に本巣で行われたバスフェスタで見て以来なので、最も最近に見たエアロキングということになろうか。その時は綱引き大会のためロープが取り付けられていたが、今回はその様子はない。
この車両には側面、後部に「AERO KING」の文字がラッピングされている。4月の主催ツアーに合わせて復活したというわけである。こちらも多くの人がシャッターを切っていて、その横には即席のバス停も設置された。
バス停の名前は「引退前」となっており、ここを出発すると引退という感じにでもなっているかのようであった。またバスの横にはテーブルとペンが置かれ、参加者がカードに好きなバス停名を書いて、このバス停に取り付けて撮影していた。
よく見ると横からカードを差し込めるようになっていて、カードを入れるとオリジナルのバス停が完成する仕組みでよく考えられている。
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