兵庫県内バス南北縦断!! 八鹿駅→豊岡駅とその先にあるもの……時刻表に添えられた「土×」は何を意味する!?

兵庫県内バス南北縦断!! 八鹿駅→豊岡駅とその先にあるもの……時刻表に添えられた「土×」は何を意味する!?

 南を瀬戸内海、北を日本海に面する兵庫県。南北の海が県内で完結している同地を、下から上へ路線バスだけで縦断できないかと考えやってみた話の第5回目(最終回)。

文・写真:中山修一
(兵庫県バス縦断チャレンジの行程写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■「土×」の意味するもの

八鹿駅前バス乗り場と待合所。一般路線バスのほか大阪方面からの特急バスも立ち寄る
八鹿駅前バス乗り場と待合所。一般路線バスのほか大阪方面からの特急バスも立ち寄る

 三宮(三ノ宮)を出発して、路線バスと徒歩で繋ぎつつ、兵庫県北側の八鹿まで来られた。当初の仮目的地に設定しておいた豊岡まで残り約20kmだ。

 全但バスが交通ネットワークを広げている北部に到達すれば、あとはそれほど難しくはないはずで、事前確認でもバスが繋がるであろう予想が立っていた。

 一応、八鹿駅前バス乗り場の待合所に掲示されている時刻表に目を通す。豊岡駅もしくは豊岡病院行きに乗ればOKで、出発時刻の欄もこれまで見てきたより、書かれている黒い数字がずっと多く、一見すると1日17本ある。

それなりの本数に思えるけれど!?
それなりの本数に思えるけれど!?

 ところが、よーくチェックすると、数字の左側に小さく赤色で「土×」なる注釈が添えられた便が多数。この土×ってナンだ?

 時刻表の下の方に凡例が書かれていた。それによれば「土×」は土日祝とお盆・年末年始運休という意味なのだそう。

 土×を含めた注釈付きの便を差し引くと、毎日運転しているバスは1日6本に減る。あちこちとにかく土日祝に厳しいのが兵庫県南北バス縦断の実態だったのね……。

■北部の大きな街を目指す

 次に乗ろうとする豊岡方面へのバスまで40分ほどの待ち。14:18発の豊岡病院行きがそれにあたる。この便も土×付きで、土日祝の場合は15:13までバスがない。

 始発ではなく、ちょっと遅れて八鹿駅前にバスがやって来た。このエリアの全但バスでは中型路線車が主力なようで、この路線にも中型のいすゞエルガミオが使われていた。

豊岡駅に着き、2日かけて兵庫県内の南北をバスで縦にぶった切った
豊岡駅に着き、2日かけて兵庫県内の南北をバスで縦にぶった切った

 県内北側の主要都市へ行くバスということで、乗車人数もこれまでの中で特に多い印象。40分ほどでJR豊岡駅に着いた。運賃は560円。

■南北縦断でき……なくはない!!

豊岡に来たついでに、もう少し先まで行ってみる
豊岡に来たついでに、もう少し先まで行ってみる

 1泊2日+徒歩12kmが必要で、土日祝に来ると即振り出しに戻され、1日1回しか通過のチャンスがない等々、県内完結のバス移動だったら簡単……

……などという根拠はまったくないのが判明した一方で、どうにか豊岡駅には来られたので、ひとまず下から上へのバス移動は可能であると実証できた。

 とはいえ、豊岡駅に着いたのが14:58。せっかくなので日本海が見えるあたりまで、バスで行ってみる気が起きた。

■海のそばまで行ってみる

 軽く確認してみると、バスで行けそうな海に近い場所は2つ。東寄りの「日和山海岸」もしくは、日和山海岸から西へ約5km離れた「竹野浜海水浴場」のどちらか。

竹野方面への全但バスに乗る
竹野方面への全但バスに乗る

 先に目に留まったバスが竹野浜方面だったので、竹野浜に決めた。全但バス「21系統 竹野行き」に乗れば、ビーチの最寄りまで連れて行ってくれるらしい。

 バスの豊岡駅通過予定が15:15。この竹野行きにも土×マークが付いていた。1日7本あるうち、毎日運転のバスは3本しかないレア系統だ。

 21系統も中型路線車エルガミオでの運行。竹野方面にはJR山陰本線も通っていて、途中バスの通り道にもJR線との並走区間がちょっとある。

途中でJRのディーゼル特急とすれ違い
途中でJRのディーゼル特急とすれ違い

 JR線が城崎温泉まで、円山川沿いに線路が敷かれているのに対して、全但バスは内陸部を通る国道178号線と県道1号線を経由するのが双方の経路的な違いだ。JR竹野駅の2kmほど手前で県道1号線と線路が合流する。

「竹野」が今回のバス旅の終点になった
「竹野」が今回のバス旅の終点になった

 終点の竹野まで、バスは約22kmの距離を48分で結ぶ。運賃は800円。竹野バス停は突き当たりがT字路になっている静かな小道に置かれていた。

竹野バス停から少し歩くと……
竹野バス停から少し歩くと……

 バスの頭が向いている100m先には、白い砂浜とエメラルドグリーンの日本海が広がっている様子が窺えて、まるで最後の目的地に選ぶためにあるような、なんとも旅の風情溢れる素敵な場所に思えた。

目の前には日本海。心なしか流れる時間もゆっくり
目の前には日本海。心なしか流れる時間もゆっくり

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