東海バスの「ばすてい」に泊まると何ができる? 一般向的なよいこの正しい利用方法だと!?

■いすゞジャーニーK

中型路線車のいすゞジャーニーK
中型路線車のいすゞジャーニーK

 外には目玉のバスが置かれている。これは1999年より走っていた路線バスで、いすゞジャーニーKだ。東海バスグループが所有する最後の1台になった車両である。2023年まで沼津営業所で走っていたということもあり、つい最近まで路上で見かけていたという人もいるかもしれない。

LED方向幕は変え放題!
LED方向幕は変え放題!

 静態保存の際にボディはきれいに塗装され直され新車のようにピカピカだ。ただし車内は宿泊できるように変更が加えられている。運転席から1列目までは当時のままだが、その奥は向かい合わせにされた座席と、ベッドが3台設置されていてもう立派なベッドルームだ。またベッドエリアは土足禁止なのも通常のバスとは違うところだろう。

運転席は触り放題!電装系もほぼ稼働するのがすごい
運転席は触り放題!電装系もほぼ稼働するのがすごい

 空調はエンジンをかけるわけにはいかないのでバスの設備をそのまま使用することはできない。そこで後部に家庭用エアコンが取り付けられている。寝室として見た場合に窓の多いバスの車内だと心配になるところもあるが、フロントを含めてすべての窓にはカーテンがあるので、下ろせば就寝時も冷房の効きも大丈夫だ。

車両後部はベッドルーム
車両後部はベッドルーム

 そして注目すべきは運転席でほぼすべての操作が可能ということだろう。さすがにエンジンはかからないがキー操作はでき、別電源によりスイッチなどは動くようになっていて降車ボタンや車内外の案内表示や行き先表示、運賃表示を出すことが可能だ。

ボックスシートも完備で急なお仕事や語らいに…ムード抜群のランタン完備!
ボックスシートも完備で急なお仕事や語らいに…ムード抜群のランタン完備!

 行き先は営業運転時以上の多彩なパターンが多く用意され、普段は見ることができないものや、現在運行されている路線の表示も可能だ。時間の許す限り思う存分に楽しんでほしい。

屋内の寝室は普通にホテルしている! 「ばすてい」のフェイスタオルはここでしか手に入らない?
屋内の寝室は普通にホテルしている! 「ばすてい」のフェイスタオルはここでしか手に入らない?

■宿泊者用注文料理はすごい!

これで2人前?実は見た目よりかなり多い!近くの民宿から運ばれるので地元の本物を味わえる
これで2人前?実は見た目よりかなり多い!近くの民宿から運ばれるので地元の本物を味わえる

 次は宿泊の楽しみでもある食事だ。「ばすてい」は施設内に従業員が常駐しているわけではないので、食事は宿泊者で用意する必要がある。周辺の店舗へ食べに行くとか、先ほど書いたように自炊するかだが、今回はBBQの食材を「配達」してもらうコースを選択した。これは事前の予約時に食事付きプランを申し込むことで当日この「ばすてい」に近くの民宿から食事を届けてもらう流れだ。

旬の刺身もうれしいが地元活性化の意味もあり民宿が採算度外視でド級の料理を運んでくる
旬の刺身もうれしいが地元活性化の意味もあり民宿が採算度外視でド級の料理を運んでくる

 内容はいくつか組み合わせがあるのだが、今回は全てセットのコースを注文した。BBQ、お刺身盛り合わせ、そして海賊焼の3種類である。BBQは国産サーロインステーキ・豚ロースの味噌漬け・ウインナー・金目の干物・さざえの壺焼き・いかの一夜干し・野菜という内容だ。

肉1枚か?と思っていたがかなり重い肉の塊で食べ切れるか?
肉1枚か?と思っていたがかなり重い肉の塊で食べ切れるか?

 大皿に盛り付けられたそれはこんなに食べきれるだろうかと思ってしまうほどのラインナップだ。「海賊焼」はイカ墨を使った黒い麺をイカや野菜と炒めた海鮮風の塩焼きそばで、西伊豆のご当地グルメとして人気だ。

結局海賊焼きは夕食としては無理で朝食で作って食べた!
結局海賊焼きは夕食としては無理で朝食で作って食べた!

 見た目は黒い麺であるが、歯が黒くなるわけではないので安心してほしい。刺身の盛り合わせも地魚がとても新鮮で美味しかった。なお食器類は用意されているものを使えるが、調味料などは料理と共にすべて届けられるのでそちらも安心してほしい。

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