路線自体は昭和ヒトケタ生まれ!? ずっとバス一筋の場所を繋ぎ続ける「北海道北見バス 常呂線」

■昔と大体同じ経路…のハズ!?

 常呂線は同エリアでは一般的な、後ろ(中)乗り・前降りの運賃後払い方式。北見バスターミナルを出発して北見市街地を抜けると、道道7号線をメインルートに内陸部を進んでいく。

 途中には、1929年に開業した当時のバスも通っていた現・仁頃町を経由。その次には、過去には手師学(てしまない)という場所に立ち寄ったようだが、現在の北見市常呂町日吉に相当するエリアのどこかだったと思われる。

道沿いに木々の隊列が続く行程前半の様子
道沿いに木々の隊列が続く行程前半の様子

 日吉エリアには道道7号線が縦断する形で通っており、北海道北見バス常呂線の経由地にも、27.8km地点に「日吉」バス停がある。

 全区間内陸部を走行するということで、車窓から見える景色は緑が中心。常呂行きでは行程の前半が林間系で、後半は田園風景に変わる。

行程後半は左右の視界が開ける
行程後半は左右の視界が開ける

 行程の半分くらいで道道7号が延長約120kmの一級河川・常呂川に接近。そのまま川と並行しながらバスも道なりに進む。

 続けて昔の経由地に「川沿」と呼ばれる場所が含まれていたとある。ここではひとまず、恐らく今日の常呂線が通る39.8km地点の「豊川郵便局」バス停の近くではないかと推測しておこう。

北見発終点の常呂交通ターミナル
北見発終点の常呂交通ターミナル

 その後もメインルートはそのまま、道道7号線から見るとオホーツク海の海岸線に突き当たる位置に建っている、終点の常呂交通ターミナルへと向かう。

■歴史ロマンが味わい深い路線バス

 現在の常呂線の北見〜常呂間の距離は約47.6kmあり、所要時間は1時間10分。運賃は1,400円。常呂で下車して、もう100mも進めばそこはオホーツク海だ。

行き先表示を北見に変えて、バスが折り返す
行き先表示を北見に変えて、バスが折り返す

 北海道北見バスの常呂線を一見すると、北見エリアを通るJR線や高速バス、都市間特急バスなどに隠れた、日々を淡々と走る素朴なローカル路線バスというイメージを持つかもしれない。

 とはいえ、バス路線が辿って来た経歴と照らし合わせながら常呂線に乗ってみると、長い交通の歴史が積み重ねたロマンが浮かび上がり、ひときわ味わい深いバス像の持ち主に思えてきた。

【画像ギャラリー】北海道北見バス常呂線の歴史ロマンなバス旅(13枚)画像ギャラリー

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