■名古屋市が運行主体なのに運行担当は名鉄バス?
ややこしいのは、SRTは名古屋市の事業なのに運行事業者は名古屋市交通局(名古屋市営バス)ではなく、名鉄バスが担当している。よって乗車システムにおいても名鉄のMaaSアプリ「CentX」との連携が図られている。
1日乗車券「なごやSRT 1DAYパス」がこのアプリで購入できるほか、市内を巡ってもらうように堀川クルーズの乗船券や名古屋テレビ塔「NAGOYA MIRAI TOWER」入場券とのセット券も用意されている。1日乗車券はQRコードとなっているので専用のカードリーダーにかざすことで乗車ができる。
換言すれば、名古屋市が事業主体のバスなのに、名古屋市営バスとは一切関係がないので、市営バス関係の乗車券類は使用できないというややこしい実態になっている。
名鉄バスの路線と認識した方が良いのかもしれないが、500円の1日乗車券はSRT専用のデジタル券しかない。しかしタッチ決済の場合は引き去り額の上限が500円に設定されているので、タッチ決済利用者は特に1日券を購入する必要はないのは便利と言える。
なぜこんなややこしい話になっているのかというと、事業主体は確かに名古屋市だが交通局ではなく、住宅都市局が事業を行っており、運行を落札したのが名鉄名鉄バスだったということなのだ。ちなみに運賃は1乗車210円だ。
■車内の様子は?
車内はインテリアデザインが取り入れられ、デジタル化もされたこれまで乗車したバスとはやや違う印象を受けた。床面などには木目調が使われており、どこか温かさも感じるほどだ。後部の向かい合わせになった座席には、大きめの木製テーブルが設置されたり、前方には木製のカウンターがあったりとこれまでのバスの車内とは見られない特長が盛り込まれている。
足元にも広いスペースが確保されているので、荷物があったり4人が座ったりしてもそれほど窮屈さは感じないのではないだろうか。またこの座席を含めて3ヶ所の窓は透過ディスプレイが採用されており車窓の風景、市内の名所をその場所を通過するタイミングに合わせて表示し音声ガイドが流れるようになっていた。
行き先の表示については車内前方のディスプレイ、上部に付けられたスリムタイプのディスプレイに加え、透過ディスプレイにも大きく表示が出るので分かりやすい。後方から座席を見て回ったあと筆者は一番前のいわゆるヲタ席に座った。
通常の路線バスでは前輪の上になるので、ステップがあり座るのが大変で、座席周りのスペースもないので狭いイメージしかないのだが、このバスは足元も広く窓側には荷物を置くことができるスペースと肘置きにも使えそうなボードが設置されていた。ここに飲み物などを置いてゆっくりと市内の車窓を楽しむことも出来そうだ。
■まるで別の街?
発車の時刻になり、SRTは動き出した。車内はだいたい10人ほどが乗車しているだろうか。この後は名古屋駅前のロータリーを左折してミッドランドスクエアの前で停車する。ここが次の「名古屋駅」バス停だ。ここには到着を待つ乗客やカメラを構える人が集まっていた。
車内が半分ほど埋まった状態でバスは出発した。名古屋駅を出ると名鉄百貨店の前を通り過ぎ、広小路通を東へ向かう。柳橋、広小路本町と過ぎるとあっという間に栄に到着した。ほぼ時刻表通り15分の移動であった。乗り心地は道路環境もあるが、普段このルートを別のバスで乗車している場合に比べると揺れは小さくかなり快適に感じた。
また車窓から見る風景は窓の大きさが違うからなのか広く、まるで違う街を走行しているかのような印象さえ受けたほどだった。座席もクッションの効いたものとなっており、それほど長時間乗車するというわけではないが疲れを感じにくいいい座り心地を味わうことができた。












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