バス運転士不足問題は入社後の訓練にも影響が…… そんな中オーダーメイドの訓練を行う教習所が登場!!

■アウトソーシングに立ち上がる教習所

高速道路を走るバスには狭く曲がりにくいスマートICも通る必要がある
高速道路を走るバスには狭く曲がりにくいスマートICも通る必要がある

 そこで、補助ブレーキを備える教習車を多く持つ自動車学校に基礎訓練のアウトソーシングを依頼する事業者が増えていくという流れになってきた。長野県にある信州駒ケ根自動車学校には大型二種免許を取得するための11m路線車であるエアロスターが多く在籍するが、前述したような運転士の卵や乗り換え習熟訓練のために12mのハイデッカーバスであるエアロバスを4台保有して対応していた。

 このエアロバスは「ペーパードライバー講習」として大型二種免許を持つペーパードライバー(平たく言うとバスマニア)にも運転の機会を提供していて、申し込んで相談すれば本人の希望と独自のカリキュラムでハイデッカー車を路上運転することはできる。

 この講習については別稿に譲るが、コロナの中で一時的に減便が生じバス運転士が減ったことから需要がさほどなく、同校ではエアロバスについては車検を取得していなかった(車検切れのまま整備を続けていた)ため、場内での運転機会しか提供できなかった。

■コロナ明けで事業者からの需要急増!

スマートIC通過中
スマートIC通過中

 ところが、コロナ明けで運転士不足が深刻化すると、基礎訓練ができない状況に陥った事業者からアウトソーシングの依頼が殺到し、高速バスや貸切バスへの乗り換えのための習熟の依頼も急増したことから、エアロバスは車検を取得して路上でも運転できるようになった。

PAの大型車区画に注射するには隘路の要領が必要
PAの大型車区画に注射するには隘路の要領が必要

 同校では依頼を受けた事業者に出向き、何を教育してほしいのかを聞き取る。それこそ点呼から運行前点検、事業者が持つ路線の特徴により、市街地なのか郊外道路なのか、あるいは峠や山道なのか、狭隘路があるのかどうかを調査して事業者のオーダー通りのプログラムを組む。

 駒ケ根市は山岳に囲まれ、市街地の高規格道路から広域農道に至るまでさまざまなシチュエーションがあり、オーダーに応じてプログラム組む。指導するのは「指定自動車教習所指導員」や「技能検定員」の国家資格を持つ教官なので、その点では正しい運転や免許取得の教習以外の実際の運転技術を会得することができると言えよう。

■高速車や貸切車では当然高速自動車国道?

狭くきついカーブはS字通過の要領が役に立つ
狭くきついカーブはS字通過の要領が役に立つ

 路線バスの運転士では11mのエアロスターで訓練するが、貸切車や高速バスへの乗り換え、または高速や貸切専門会社では11m車には乗らないので、エアロバスの登場となる。トイレ付き(使用は停止)の高速仕様車で、教官用の補助席と計器、補助ブレーキがあるだけで高速バスと何ら変わりはない。

 元高速車なのでLED方向幕や放送装置や降車ボタンはそのまま残されており、シチュエーションによっては訓練で使用することも可能だ。

ETC専用レーンはバスには狭い! ギリギリだ!!
ETC専用レーンはバスには狭い! ギリギリだ!!

 このような12m車を使用する訓練では高速自動車国道を走行するプログラムも設定できるのが強みだ。一般に開かれているペーパードライバー講習では高速自動車国道の走行はできないので一般道だけを運転することになるが、事業者委託の訓練ではオーダーにより高速講習を組み入れることが可能だ。

 今回は事業者からの依頼による高速訓練という想定で、取材のために1泊2日の行程を組んでもらい体験訓練を受けた。記者は職業運転士ではないので1日目で場内見極めを受け、一般道路上訓練を行った。この内容はペーパードライバー講習で免許さえあればマニアの方でも受講可能なので、別稿で改めて紹介する。

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