【バス運転士日誌】いよいよ旅客を乗せて営業教習開始！　初便は新宿のビジネス街をぐるぐる回る……だと!?

■間に合わない？

　安全を確認しながら指定された経路で新宿に向かうが、到着したらほどなくしてラッシュ時刻に差し掛かる。しかも回送が遅すぎて新宿到着予想時刻でダイヤにほとんど余裕がなくなってきていることが判明。その前にすかさず萱沼教官の指示でハンドルを代わり、記者は車掌になる。

　そのままラッシュ時間帯を過ぎるまで萱沼教官が運行を担当して、記者は車掌として安全確認の補助や旅客の案内、運転の技を見ながら過ごした。

　ラッシュ時刻を過ぎると、「代わろうか！」の声で記者が運転を担当する。運転そのものはそれほどまごつくことはない。空車教習で何度も走った道だ。しかし旅客を乗せているので、長い下り坂でのエンジンブレーキの使い方や信号のパターンを横から教えてくれるので。「旅客にやさしい」運転技術をさらに学ぶ。

■休憩場所

　営業所から遠く離れた新宿での休憩は車庫に戻ることなく現地での休憩である。ちゃんとバスを停める場所は確保してあり、指定場所に停車させて休憩場所に向かう。休憩場所はワンルームマンションを借り上げており、テレビも仮眠用の布団も、お茶が飲めるようにケトルも備えられている。

　急な玉切れでも対応できるようにウインカー等の電球も備えられているのはさすがだ。こうして何度かの休憩をはさみながら、初めてで疲労しているだろうと途中で営業所に戻る仕業のバスに便乗するのを辞退して、所定の仕業を最後まで頑張り指定の回送車両に便乗して帰庫した。

　乗って行った車両はほかの運転士に引き渡してあるので給油と点検はなく、到着点呼を終えて翌日の仕業を確認してから帰宅した。翌日の仕業も新宿だが、途中で乗降カ所が3つある難易度が若干上がる仕業である。