■運転証明書の授与
すべてのイベントが終了して、ジェイアールバス関東から運転証明書が授与された。行路表やスタフをもらえたのがマニア的には最も大きなプレゼントだと思っていたが、最後に運転証明書が授与されるとは思ってもいなかったので、これはさらに最高の思い出となった。
ちなみに、今回の参加者のうち現役の運転士は記者を含めて2名で、ほかの参加者は免許を持ったマニアだったり、普段は貨物車を運転する大型ドライバーだったりとさまざまだ。いずれにせよ大型一種以上の免許が参加条件なので、大型車の運転そのものは問題のない方ばかりだった。
新白河駅までの送迎は参加者が運転した日野製の棒ギア車だった。新白河駅の到着すると、連節車も運用に就いていてちょうど新白河駅に到着したところだった。全員が撮影したのは言うまでもないが、参加者全員がバスに関する何らかのマニアなので共有するところは似ている。
■参加者はやはりヲタ多数?
ところで、バスマニアは鉄道マニアも兼務すると書いたが、新白河は福島県だ。首都圏からの参加が多いだろうとは思っていたが、遠距離移動をしての参加もあった。バスマニアでも鉄道マニアでも新白河からどうやって帰るのだろうと思っていたが、普通ならば全員が新幹線だろう。
しかし実際に新幹線ホームに向かったのは半分くらいで、残りは徒歩で高速バス停留所に向かい予約済みの高速バスで、もう1泊して明日も同じツアーに参加、あるいは自家用車で来ていて数時間運転して帰るといった猛者もいた。
記者は東北本線を黒磯、宇都宮で乗り継いで帰る予定だっただ、何と18キッパー(青春18きっぷ利用者)がいて、同行することに。行けるところまで行って、翌日は大阪まで行き万博を見るのだという。今回の参加者で間違いなくトップ猛者だろう。久喜までご一緒して、記者は東武線を利用して帰宅した。
このツアーは今回が3回目で、継続する予定だそうだ。50000円という参加費用が高いか安いか妥当かは参加者それぞれの価値観によるので、一律の評価はできない。記者が聞いて回った限りでは高いという参加者は一人もいなかった。
理由は「運転体験と思っていたがかなり本格的な運転士体験だった」ということでおおむね一致していた。廃線の土地を維持するにも費用が掛かる。このツアーだけで維持できるとは思えないが、少なくとも廃線専用道維持の一部にはなるのではないかと考えられる。廃線専用道がなくなればツアーそのものが開催不可能になる。
その意味では、参加者がいる限りはツアーも専用道も維持できるのかもしれないが、本業の運転士不足はほかの事業者と同様にジェイアールバス関東も抱える問題だ。こうしたツアー参加者からバス運転士になる人が出てくれば良いのだろうが。
とはいえ同社担当者は参加者に純粋に楽しんでもらえるように、ツアー内容を細かいところでアップデートをしているようなので、運転体験にとどまらない「運転士」体験ができるツアーで夢をかなえてみてはいかがだろうか。
【画像ギャラリー】JRバス関東で行われた「第3回白棚線バス専用道運転体験会」を完全取材!運転体験というより「運転士体験」だった(後編)(12枚)画像ギャラリー
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