ユースホステルに泊まる旅がバスの沼にはまる“きっかけ”になった50年前の話

■バス趣味はほとんどなかった時代

米子のユースホステルへは日の丸自動車で
米子のユースホステルへは日の丸自動車で

 以降は鉄道とともにバスの写真も撮るようになったが、鉄道趣味の友人からは、「谷川君はバスも撮るの?」といぶかしがられっぱなしであった。彼らの対応は「正統派鉄道ファンではない」といわんばかりである。

 大学卒業後にこんなことがあった。私は目黒駅前で東急バスの写真を撮っていた。そこで高校時代の友人にばったり出くわした。

 彼曰く、「さっきからバスの写真を撮ってる人がいて、そういえば高校時代、谷川君っていう人がバス撮ってたなあと、久しぶりに谷川君を思い出したんだけど、近づいてみたら谷川君本人だったので驚いた」と!!

 今でこそバスの雑誌があるくらいだが、当時はバス趣味などほとんど認知されていなかった時代で、バスの写真を撮る人など滅多にいなかったのである。

 しかし、日本各地のバスを観察することは興味深かった。鉄道に関しては当時も雑誌は複数あり、各地へ行っても雑誌で見たことの確認であったのに対し、当時はバスを扱う雑誌などなかったので、地方へ行って見たことのないカラーリングのバスを見るのは新鮮であった。鉄道に比べて地方色も豊かであった。

 こんなことをしているうちに、路線バス、その頃はほとんどなかった長距離バス、さらには空港バスと……バスの沼にハマっていったのである。

【画像ギャラリー】鉄道旅行(と出会い)を求めてユースホステルへ!! 旅するなかでバスの沼にハマっていく谷川少年!!(10枚)画像ギャラリー

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