バス停に名前を付ける際、近くにある目立つ物を命名元にする方法が良く採られる。では、今や国内を乗り越え世界にまで躍進するほど浸透した食べ物であり、言葉としても使う機会の超多い「ラーメン」が名称に含まれるバス停は全国に幾つあるだろうか。
文・写真:中山修一
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■星の数ほど店がある……ということは?
専門店や町中華からファミレスまで、ラーメンを提供している全国の飲食店の数を軽く確認してみると、少なく見積もっても合わせて86,000軒以上あるようだ。
星の数ほど店があるとなれば、店舗の前に置かれたバス停の名称に「○○ラーメン店前」のような、ラーメンがらみのキーワードがシレッと使われていてもおかしくない気がする。
実際どうなのか、北海道から沖縄まで数十万カ所にも及ぶバス停から、該当する場所があるか調査してみたところ、まずヒットしたのが新潟県三条市だ。
■ラーメンを冠するバス停は……ウソだろ!?
JR燕三条駅から4kmほど、国道17号線沿いにある「ラーメンハウス原宿」という名称のバス停留所がそれにあたり、すぐそばに同名のラーメン店が営業している。
どこのバスが通るのかリサーチを続けていくと、三条市のコミュニティバスの経路とある。しかし更に掘り下げたところ、このコミュニティバスは既に廃止されていた。
2023年現在は、バスの代わりに予約制のデマンド交通が運行している。誰でも利用でき、ラーメンハウス原宿も乗降ポイントの一つとなっている。
ただし、どちらかと言えば運行形態がタクシーに近く、現時点では普通の路線バスの停留所とは性質が変わってしまっている。
次の候補は兵庫県西脇市。JR加古川線の新西脇駅から2kmほど進んだ先に「西脇大橋ラーメン前」停留所とされる場所が見つかった。
こちらも停留所の直近に、バス停名とほぼ同じ屋号のラーメン店が営業している。続けてバス事情を確認すると、西脇市のコミュニティバスの経路となっていた。
ところが、よくよく見てみれば西脇市のコミュニティバスは何度か再編されており、現在はバス停はもとより当該のバス路線自体が廃止されていた。
コミバスの代替として乗合タクシーが運行しているが、あくまで地元住民向けの交通機関へとシフトしている。「西脇大橋ラーメン前」を名乗る乗降ポイントもなくなったようだ。
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