■2名乗務は座席タイプにより変わる?
長時間連続して走行する高速バスや日をまたいで宿泊をともなう貸切バスの場合は、原則論では対応が難しいため個別の基準があるが、面白いのは2名乗務のバスである。長距離を走る特に夜行の高速バスは2名乗務である場合が多い。2名乗務なので休息期間を短縮することができるが、その基準が2つに分かれているのが興味深い。
「車両に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る」のは当然として、バスに詳しい方はご存じだと思うが、床下に仮眠用ベッドを備えている高速バスと、交代運転士用の座席を占有する場合とがある。
まず、運転者のための専用座席として身体を伸ばして休息できるリクライニング方式の座席が少なくとも1座席以上確保されている場合、最大拘束時間を19時間まで延長し、休息期間を5時間まで短縮することができる。
そして、車両内ベッドが設けられている場合や、上記の場合であって、カーテン等により他の乗客からの視線を遮断する措置が講じられている場合、最大拘束時間を20時間まで延長し、休息期間を4時間まで短縮することができる。と2段階になっている。
つまり交代乗務員のために座席を1席占有してカーテンで区切れば床下の仮眠ベッドと同じ扱いで拘束でき休息期間を4時間まで短縮することができるということだ。記者は高速バスを運転したことがないので、判断はできないものの座席と仮眠用ベッドとではずいぶんと違うような気がする。
この2024年問題に対してバス事業者は不足する運転士の採用に躍起になっていて、中身の善し悪しは別として賃金体系の見直しを行っている事業者もニュースになっている。
それでも減便や路線廃止が続き半ばトレンド化している。果たしてこれで告示が施行されるとどうなるのか。国民の日常の足を守るための模索が続く。
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