発展途上なフィリピンの空港バスの愉快だけどマジな話!!

■比較的利用価値が高かった(!?)のがセブの空港バス

フィリピンの空港バスとしては実用的だったセブのマイバス
フィリピンの空港バスとしては実用的だったセブのマイバス

 セブの空港バスはセブ市営のマイバスが空港へ乗り入れている。こちらはマニラに比べて実用的で、国際線ターミナル発国内線ターミナル経由でセブ市中心のSMシティセブ(Shoe Mart)にあるバスターミナルへ運行する。

 市営バスと聞くと、セブ市内を縦横に走っているイメージもあるが、距離の比較的長い路線しか走っておらず本数も少ないので、市内での移動手段ではない。市内ではジープニーが数多く走り回り、こちらが庶民の足となる。

 セブ島の空港はマクタン島というセブ島とは異なる島にあり、2本の橋でつながっていて、マイバスはここを渡って運行する。運賃32ペソ(約70円)だ。

■空港を発着する冷房付きジープニーはかなり高い

クラーク空港の空港ジープニーはボンネットを開けて客待ち中
クラーク空港の空港ジープニーはボンネットを開けて客待ち中

 アンヘレス最寄りの空港はクラーク国際空港で、ここは以前アメリカ軍の基地があったところである。空港バスはなく、空港ジープニーがある。ジープニーといっても冷房付きで、運賃も通常のジープニーが15ペソ(約33円)であるのに対し、空港行きは100ペソ(約220円)もする。

 この乗物もくせ者で、市内のターミナルで待っているジープニーに乗ろうとすると「何時の便に乗る?」と聞かれる。「10人集まらないと出発しない」といわれ、さらに「500ペソ出せば1人でも出発するぞ」と続く。

 ちなみにタクシーは350ペソなので、それならタクシーを使ったほうが安上がりだ。ホテルに送迎を頼んでも500ペソなので、「外国人は空港へ行くときは500ペソくらい出す」という前提なのであろう。

 いずれにしてもフィリピンと日本のバスの常識はかけ離れている。日本のバスの感覚をそのままフィリピンに持ち込むとストレスだらけかもしれない。しかし、日本人が「せかせかし過ぎ」ということもあるので、フィリピンに行ったら、フィリピン時間で旅をすることをおすすめしておく。

【画像ギャラリー】今では貴重なおおらかさ!! 昔のアジアのワイルドさを残すフィリピンの空港バス(11枚)画像ギャラリー

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