■公共交通機関だからこそ
公共交通機関と言われ続けるバス(高速路線バスや貸切バスを含む)は、その重圧に見合う事業を継続することが困難になってきている。運転士に働きに見合った待遇を与えるには、前述の原資を捻出するか、誰かが負担しなければならない。
旅行支援で94億円あまりの予算措置がすぐにできるのに、毎日の国民の足を守る予算が取れないのが現状なのだ。もちろん、復興のための一時的な予算なので必要かつ緊急的に可能である点は否めない。対してある程度恒久的な予算として民間事業者に公的資金を注入するのは税の公平性の観点から問題を指摘する層がいるのもまた事実だ。
■思い切りが必要?
民間事業で事業継続ができなければ、公共事業としてやるしかないという結論になってしまう。大赤字でも住民の足を守るために公共サービスの一環として一気に公営交通にしてしまうのは、いささか急な議論かもしれない。
しかし現実的には民間事業者がバンザイした路線を行政がコミュニバスとして事業を引き継ぎ、金を出して元の事業者に委託している路線はごまんとある。それでも民間事業者の運転士不足が解消されたわけではないので、冒頭に述べたような減便や運休という事態がコミュニティバスでさえ陥る。
これが完全な公営に移行していれば、運転士は公務員なのでここまでひどくなることはなかっただろう。そこに踏み込む勇気と決断と、民業圧迫と言っておれる事態なのかを天秤にかける必要がありものの、それぞれの地域の環境に合った議論が必要になりそうだ。
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