バスというひとつのテーマをとっても、日本と海外では細かな違いがたくさんあるので、海外旅行は発見の連続である。2023年は6月にデンマークを旅行したが、北欧は安全というメリットがあるので9月に再度北欧へ。今度はノルウェーを旅してみた。
(記事の内容は、2024年6月現在のものです)
執筆・写真/谷川一巳
※2024年6月発売《バスマガジンvol.125》『バスにまつわる愉快だけどマジな話』より
■北欧はとにかく物価が高い!! さらに円安で……
北欧は世界のなかでもとくに物価が高い。元々物価が高いのに、加えて日本人は賃金が上がっておらず、さらに円安である。日本人の感覚では1000円くらいのものが、4000~5000円する。しかし、現地の人にすれば4000~5000円でも日本人の感じる1000円くらいの感覚、日本人は貧乏になったものである。
旅費節約のため宿泊はドミトリーと呼ばれるユースホステルのような施設に泊まる。このような施設なら共用キッチンがあるので、スーパーマーケットで買ってきたもので簡単な調理だってできる。宿泊費と食費を節約できる一石二鳥である。
ノルウェーの国内移動は鉄道パスのシニア運賃(60歳以上)を利用した。ちなみに、通常の乗車券は67歳以上であれば半額となる。私は65歳なのだが、仮に67歳以上だったならば、鉄道パスを利用しなくても割安な旅行が可能だったことになる。
■うまく利用すればおトク度満点のシニア料金でイイ旅を
そんな旅行中、首都オスロから鉄道で1時間半ほどの地方を訪ねた。この日は鉄道パスを使わず乗車券を購入したが、1時間半の距離が5000円近くと高額である。復路は高速バスの運賃を調べたが、さらに高額だった。
しかし、往復とも同じ鉄道では能がないので復路は高速バスを選ぶことにし、運転手に料金を払おうとしたそのとき、運転手が「あなた何歳?」と聞いてきたので「65」と答えると「じゃシニア料金だから半額」と言われ、私は飛び上がるほど嬉しくなった。
つまり、同じノルウェーでも、シニア料金となる年齢が鉄道とバスでは違っていたのである。
一般に北欧は高福祉国家と呼ばれるが、高齢者は交通機関が半額と優遇されている。注意しなければならないのは、その対象年齢で、各国によって異なる。60歳以上なら鉄道パスは割り引き程度、65歳以上67歳未満は鉄道よりバスがお得で、67歳になれば鉄道もバスも半額になる。
日本では80歳以上であっても高速バスが割引になるなどという話は聞いたことがない。高齢者を優遇してほしいと感じるのである。
【画像ギャラリー】高福祉国家はダテじゃない!! シニアは半額となる高速バスでゆったりノルウェーの旅(9枚)画像ギャラリー
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