それってどんなとこ? 国道の行き止まりっぽい場所で見つけたバス停に行ってみた 〜群馬県 大清水〜

■大清水バス停のある場所

 さて、肝心の大清水バス停がある場所は、どんなところか。バス停周辺には、一般車の駐車場やトイレ、お土産屋さんと飲食コーナー、休憩コーナーなどのある、手頃な大きさの案内所が建っていた。

大清水より先へ行く路線バスはない。右の道は駐車場へのスロープ
大清水より先へ行く路線バスはない。右の道は駐車場へのスロープ

 通ってきた国道401号はここで途切れており、先へ続く道はあるものの、舗装路が終わり砂利道へと変わる。

 砂利道の手前には遮断機タイプのゲートがあり、一般車は通れない旨の注意書きが置かれていた。その先は標高差の大きな登山道につながるとのこと。

 どうやらこの場所、登山道への拠点の位置付けと見て良さそうで、拠点への公共アクセスを確保するために、大清水バス停が置かれているわけか。

ハイデッカータイプの乗合高速車も大清水に出入りする
ハイデッカータイプの乗合高速車も大清水に出入りする

 さらに関越交通の路線バスだけでなく、バスタ新宿から直通の高速バス「尾瀬号」も期間限定で乗り入れている。

■群馬県最北の乗合バス停留所?

 マップで見ていた際、あまりに終着感が強かったため、おそらく到着後の次の行程は来た道を戻るしかない、大清水がバスで来られる限界点、と思っていた。

 しかし現地の様子を伺うと、ハイエースタイプのワゴン車が停まっており、ゲートをくぐって砂利道を数km進んだ、一ノ瀬という所まで行けるそう。「シャトルバス」の名称で、2025年は6/14〜10/19までの期間限定運行とのこと。料金は1回1,000円。

大清水には登山者向けシャトルバス乗り場がある
大清水には登山者向けシャトルバス乗り場がある

 ただし、一ノ瀬行きのシャトルバスには貸切登録の車が使われており、どちらかと言えば路線バスというよりも旅行商品の送迎サービスに性質が近い。

 しかも利用目的が99.999%「登山」に指定されている雰囲気。これにフラっと乗るのはTシャツ短パン裸足で真冬のスキーリフトに乗るようなものかも。

乗ってきたバスで来た道を戻る
乗ってきたバスで来た道を戻る

 同シャトルバスの性質を踏まえると、路線バスで普通に来られる限界点は、この「大清水」で間違いなさそうだ。

 ちなみに2025年6月現在、一般的な乗合路線バスの停留所としては、恐らく大清水が群馬県内で最北のバス停になる。

 昔はもっと北にもバス停があったらしいが、路線廃止や旅行商品的なシャトルバスの乗り場に変わるなどして、繰り上げで大清水が現在のポジションに収まっている模様。

ちょっとステキな大清水の終着感
ちょっとステキな大清水の終着感

 ともあれ、6月の緑豊かな時期に来たのもあって車窓の景色は申し分なく、関越交通鎌田線の乗り味は十分、大自然に囲まれ、その先に舗装路が続かない大清水の終端感にもロマンが宿り、行って帰るだけでも刺激になった。

【画像ギャラリー】群馬県端っこバス停しらべと関越交通鎌田線(15枚)画像ギャラリー

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。