最初からいて最後まで残ったバスだと? 国鉄線代替バスの残り香を今に伝える「網走バス 常呂線」

■廃線跡を素直にトレース

 常呂バスターミナル発で網走方面へ向かうと、ターミナルを出発して常呂の町を後にすると、国道238号に出て、以降この道をメインルートに進んでいく。

中乗り・前降りの運賃後払い方式
中乗り・前降りの運賃後払い方式

 国道238号は国鉄湧網線の線路跡のすぐ近くを通っており、それに伴ってバスも廃線跡を素直にトレースしていく。

能取湖のすぐ隣を走るけれども、見えそうで見えない?
能取湖のすぐ隣を走るけれども、見えそうで見えない?

 網走市の景勝地の一つ・面積59平方kmの能取湖が国道に面しているのも経路の特徴。ただし湖畔と道の間を木々で遮った区間配分が多めで、湖が一面に広がる瞬間は貴重な印象。

■廃線ロマン探訪の引き立て役

 運賃は常呂バスターミナル〜網走駅でも網走バスターミナル間の利用でも1,070円だ。支払い方法は現金のみ。

常呂バスターミナル行きの便とすれ違う
常呂バスターミナル行きの便とすれ違う

 バスはおよそ33.9kmの距離を、ダイヤ通りに進めば50分で走破する。平均速度で計算すると40km/hの大台に乗り、路線車が使われている一般路線の中ではかなり俊足ということになる。

 国鉄湧網線と深い関わりを持ち、“代替バスの代替バス”化していない路線となれば、今や実質的に網走バス常呂線が唯一の存在。

50分で終点の網走バスターミナルに到着
50分で終点の網走バスターミナルに到着

 バスの常呂線自体も深い歴史を持ち、網走バス各路線の中でもとりわけ注目株と言えそうだが、廃線ロマン探訪の引き立て役として重要なバス像を放つ気がする。

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