JRの電車と私鉄の電車とで、それぞれ建物は別々ながらも、同じ地名を使っている駅が各地にポツポツあって、関西エリア・兵庫県の「尼崎駅」もその例に当てはまる。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、ふたつの尼崎駅とそこを繋ぐ交通にまつわる写真があります)
■地味に遠いふたつの尼崎駅
兵庫県にある「尼崎駅」を名乗る電車の駅は2つ。1つはJR神戸線(東海道本線)の主要駅である尼崎駅。もう一つもまた主要駅で、こちらは阪神電車の尼崎駅となっている。
どちらも同じ尼崎駅ゆえに、駅同士が隣り合わせのような位置関係を想像したくなる。ところがこの2駅、地味に遠いのだ。
尼崎でJR線〜阪神電車に乗り換えるべく、「そんなの歩いて行けるべ」などと考えて移動を始めると、歩けど歩けどなかなか着かない……JR尼崎駅と阪神尼崎駅に潜む初見殺しの罠である。
距離にすると、経路にもよるが3kmくらい。歩いて30〜40分ほど、タクシー利用時もワンメーターでは行けない、それなりの移動規模に風呂敷が広がるのは数字を見れば尚更確かだ。
■そこはやっぱり交通手段あるよね?
歩くのは少々大変でタクシーもややお高めな距離感、しかも人の移動が旺盛な都会……となれば、そこはやっぱりJRと阪神の尼崎駅を真っ直ぐスムーズに、安価で移動可能な公共の乗り物が用意されているのでは? と期待したくなる。
両駅を直で結ぶ鉄道は通っていないので、あるとするなら路線バスになるはずだ。JR尼崎駅と阪神尼崎駅の直通アクセス事情がどうなっているのか、ちょっと現地へ様子を見に行ってみた。
同地エリアで路線バスを受け持つ主な事業者の一つが阪神バス。各尼崎駅に備え付けの時刻表をチェックしてみると、期待通りに両駅間のアクセスに使える阪神バスの路線があった。
■阪神バスの11番と23番
JR尼崎駅と阪神尼崎駅を結ぶ路線は2種類。「11番」と「23番」から選べる。11/23番ともに、JR尼崎駅から北へ3.5kmくらい離れたところにある、阪急神戸線の園田駅が始発/終点。
全区間では阪急園田〜JR尼崎〜阪神尼崎となり、それぞれ東西横向きに「三」の字を書くようにして伸びる阪急線、JR線、阪神線の各駅を縦に繋いだ経路が採られている。
さらに11番はJR尼崎駅の北口バスターミナル、23番がJR尼崎駅の南口バスターミナルを経由する違いがあるほか、23番は全本数のうちJR尼崎駅始発の便がおおむね半分を占めている。
ちなみに、公式の各駅のバス停名は「阪急園田[南]」、「JR尼崎[北]」、「JR尼崎[南]」、「阪神尼崎[北]」で、乗り換え検索で調べる際は公式名を検索ワードの基準にすると、目的の結果が出やすくなるはずだ。
■生活と観光両方を支える堅実な足
続いてバスのダイヤを確認すると、JR尼崎駅の北口を経由する11番が、朝の通勤通学時間帯を除いて平日大体20分おき、土日祝は30分おきのペース。南口経由(始発)の23番は平日15分おきくらい、土日祝は20分おきの設定だ。
経路が若干異なるため走行距離と所要時間にも差があり、3.2km・約17分の11番に対して、23番のほうは2.4kmの区間を約11分で結ぶ。2026年7月現在のところ、運賃はどちらも250円だ。
11/23番両方合わせると本数は比較的潤沢、なおかつ最速の移動手段ということで、はじめは普段使いの足に特化した生活路線かな? との印象を持った。
とはいえ、よくよく現地の様子をうかがってみて、阪神尼崎駅のすぐ近くに観光スポットの尼崎城が建っている点に注目すると、JR/阪神尼崎駅直通バスの見え方がちょっと変わってくる。
現に、JR尼崎駅から徒歩で尼崎城へ向かうのは距離的に少々厳しいものがあり、簡単で確実なアクセス方法として、JR尼崎駅のコンコースと南口バスターミナルに、阪神バス23番での移動を薦める案内表示が貼られている。
そういった要素を踏まえると、JR/阪神尼崎駅直通バスは完全な生活路線に振り切っているのではなく、観光目的にも便利なマルチユースの路線、といったバス像を持っているようにも思える。
【画像ギャラリー】尼崎駅と尼崎駅の間を走る阪神バス11/23番(12枚)画像ギャラリー
























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