北陸新幹線「越前たけふ駅」は鉄道だけでなく道の駅でもあるってマジ?

北陸新幹線「越前たけふ駅」は鉄道だけでなく道の駅でもあるってマジ?

 北陸新幹線の敦賀延伸開業の模様や、その賑わいについては既報の通りだが、新幹線として開業した駅と接続する路線バスの関係について取材したのでレポートする。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■越前たけふ駅って?

新幹線単独駅の越前たけふ
新幹線単独駅の越前たけふ

 北陸新幹線が敦賀まで延伸開業し、新たに6つの駅が誕生した。東京から向かうと金沢を出て小松駅、加賀温泉駅、福井駅、芦原温泉駅、越前たけふ駅、そして敦賀駅。それぞれ温泉という名が付いていれば温泉街をイメージし、福井駅は駅前の恐竜モニュメントが有名だが、越前たけふ駅というと一体どんなものをイメージするだろうか。越前たけふ駅を紹介したい。

 筆者が降り立ったのは開業日の3月16日。敦賀駅からわずか12分だ。朝から開業記念イベントが開催されており、駅前はとても多くの人で賑わっていた。駅前の芝生広場には多くのテントやキッチンカーが並び、物産の販売に長い列ができた。また1日駅長として俳優の小泉孝太郎さんが来場しており、トークショーには会場からおさまりきれない人が集まっていた。

越前たけふ駅の外観
越前たけふ駅の外観

 筆者が改札を出ると正面には「ようこそ!北陸新幹線「越前たけふ駅」へ」という横断幕を持った人が出迎え、そして開業記念にということで和紙で作られた記念切符としおりを配布していた。しおりの中の桜の花は福井県民約3000人が北陸新幹線開業のためにおもてなしとして作ったとのことで、記念品としては貴重なものだ。

 駅を出ると真新しいロータリーが広がるが、隣には道の駅が設置されている。駅を出ると駅とはまたなんとも不思議な気持ちであるが、道の駅が隣接する新幹線駅なのである。自動車と鉄道と聞くと、なかなか結びつかないイメージもあるが、それはこの越前たけふ駅の立地環境が大きく影響している。

■高速バスで福井・名古屋へ!

ジェイアール東海バスの福井行きの高速バス
ジェイアール東海バスの福井行きの高速バス

 周辺の環境を見てみると、越前たけふ駅は越前市にある。旧北陸本線のはぴラインふくい武生駅からは東に3km離れている。また駅の周りは一面田んぼが広がるのどかな風景で、既存の鉄道と接続しない新幹線専用駅なのである。これではなんとも利用者数に不安があるように思えるが、越前市は駅の設備とともに他の整備に取り組み、当地を交通の要衝として、または観光やビジネスの発着地点として利用してもらいたい考えだ。

 駅のロータリーをしばらく見ているとバスがやってきた。福井と名古屋を結ぶ高速バスである。先に到着した福井鉄道のバスは名古屋行き、そして後からやってきたのはJR東海バスの車両で、福井駅・あわら湯のまち駅行きである。数人の乗降があり、それぞれの目的地に向けて出発していった。

福井鉄道の名古屋行き高速バス
福井鉄道の名古屋行き高速バス

 この路線は現在は福井鉄道・京福バス・名鉄バス・JR東海バスの4社で共同運行されているが、北陸新幹線の敦賀延伸を見据えて昨年12月にダイヤ改正を行い、1日8便から10便へ増便された。また以前は北陸自動車道の武生インター近くに武生バス停があったのだが、そこからわずか600mの場所に越前たけふ駅ができたので、バス停を駅に移設し、新幹線との乗り継ぎが可能となった。

 なお、当駅停留所に停車する高速バスは名古屋行きは乗車のみ、福井行きは降車のみのクローズドドアシステムの区間内である。

開業当日のイベントでは陸上自衛隊の車両も展示された
開業当日のイベントでは陸上自衛隊の車両も展示された

 さらに道の駅には高速バスのチケットセンターが設けられ、新幹線を降りた乗客がここで切符を購入しバスに乗車、ということも可能だ。またJR東海バス担当便については福井駅から先の三国駅、そしてあわら湯のまち駅まで休日等の特定日のみであるが延長運転も行っている。

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