JRダイヤ改正で最大の話題でもある北陸新幹線の敦賀延伸。前回は延伸開業前日の様子をお届けしたが、今回はダイヤ改正当日の沿線区間の様子と、バスマガジンらしく周辺のバスの話題をお届けする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■開業当日朝の金沢駅
北陸新幹線が敦賀まで延伸開業した3月16日。金沢駅から取材をスタートした。時間は午前7時を過ぎており、既に金沢からの一番列車、そして敦賀からの一番列車も到着しており、コンコースは早速乗車を済ませた乗客や関係者などで賑わっていた。
駅構内や切符売場などの表示や案内板もダイヤ改正に合わせて、三セク移行されたものに切り替わっており、昨日までJR線と書かれていところは「IRいしかわ鉄道」と表示されていた。金沢からだと津幡から先、七尾方面の七尾線はJR線であるが、北陸本線は福井県内は「はぴラインふくい」、石川県内は「IRいしかわ鉄道」と三セク移管になった。
そして新幹線改札には「ようこそ石川・金沢へ」の横断幕を持ったミス加賀友禅や加賀友禅大使が改札を出てくる人の出迎えを行っていた。こうした風景からも今日が記念すべき日、そして北陸待望の日ということを実感する。
■新幹線「敦賀駅」
筆者は7時48分発のつるぎ7号に乗車し、敦賀駅を目指した。前日は北陸本線の列車から見ていた風景が嘘のようなスピードで流れていく。在来線で1時間20分ほどかかっていたのが、40分あまりと改めて新幹線の速さを感じる。
敦賀駅の新幹線改札内は初めて足を踏み入れるのだが、ホームが木目調であったりコンコース柱の調度品やフロアデザインなど港・鉄道の街である敦賀らしさをイメージさせるものであったりと工夫を凝らしている。
また開業前から話題になっていた在来線特急への乗り換は、大きめのピクトグラムや案内表示、床面には列車名とカラーの矢印で誘導するなど各所に工夫が見られた。初日ということもあり、臨時列車の設定やホームの位置関係か分かりにくい場面もあったようだが、構内やホームの係員も多く配置されていて、なんとかうまく乗客をホームへ案内できているように思えた。
■敦賀駅のジレンマ
一通り駅を見て回った後に敦賀駅の東口へ向かった。「やまなみ口」と名づけられた新幹線に合わせて誕生した出口である。これまで敦賀駅には東口というのはなかったが、新幹線開業により新たに整備された。
駐車場や観光バス対応の待機場があり、北陸自動車道の敦賀インターへ近いことから、今後高速バスなどの路線の設定が期待される。期間限定ではあるが市内の物産施設、近隣の小浜・おおい・高浜へ向かう直行バスも発着するなど早速利用が開始されており今後が楽しみである。
そして新幹線延伸開業に合わせて運行されるバス路線があり、乗車することにした。真新しいバス乗り場で待っていると、小型のバスがやってきた。実証実験として運行が始まった「敦賀駅東西連絡バス」である。実は敦賀駅は延伸開業した6駅の中で唯一、自由通路がない駅だ。
現状は駅の反対側へ行くには徒歩でう回するか、入場券を購入して駅構内を通り抜けるしかない。開業前から話題に上がっていたのでが、これまでは駅東側が開発前だったこともあり工事は見送られてきた。どれほどの需要があるのか調査するために、8月末まで東西連絡バスが実証運行されることになった。7時~19時で15分間隔で運行され、運賃は無料である。
開業当日ということもあり、どちらに出ていいのか分からず東口に出てしまった人や、連絡バスを利用したい人など、多くの人が並びバスはすぐに満席になった。駅ロータリーを出発したバスは駅前の交差点を左に曲がると、国道8号線に入り敦賀インター方面へと向かう。
どんどん駅から離れていくが、その先のはぴラインふくいの線路を越えて市内方面へUターンし、あっという間に敦賀駅の西口へとやってきた。敦賀駅の南側にはアンダーパスがありそちらを使うのかと思っていたので、意外に思ったが乗車時間は6~7分とそれほどかからなかった。
この時間なら15分間隔で東西を行き来することはできそうだ。乗車前にはバス停の係員によるアンケートも実施されており、今後この実証を経て、便利に敦賀駅を利用できるようになるのかが注目される。
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