続・「女性の願いを1つだけ叶えてくれる」神明神社へバスでGO!! 読者からの反響に応えさらに深掘りしてみた

続・「女性の願いを1つだけ叶えてくれる」神明神社へバスでGO!! 読者からの反響に応えさらに深掘りしてみた

 以前にバスで巡るパワースポットの記事『女子必見!「女性の願いを1つだけ叶えてくれる」報賽絵馬が並ぶ神明神社へはバスでGO!!』(参考記事参照)をお届けしたが、おそらく本誌読者の奥さまやお嬢様より反響をいただいたので、記者が行って深掘り取材をしてきた。三重県観光で組み込む際の参考にしていただきたい。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■神明神社のおさらい

神明宮の表参道
神明宮の表参道

 神明神社のことをかいつまんでおさらいすると、三重県鳥羽市の相差(おうさつ)に存在する神社で、鳥羽市の観光スポットとは遠く離れた場所だが、日本一海女さんが多く海女文化の根付くまち・海女のふるさととして知られる。

 神明神社の建立ははっきりしていないが、相差に村が生まれた頃にはあったといい、記録に残っているのは約400年前の慶長14年(1609年)だ。明治4年には旧長岡村の村社に定められ、明治41年には付近の神社を合祀して神明神社になった。

 主祭神は神宮の内宮と同じ天照御大神なので、いくつかの境内社と授与所を通り過ぎてまずは本殿を参拝する。そして石神社、通称では石神さんに参拝する。石神社が多くの女性が目的地として参拝する神社である。

バスで行くならば往復の景色も楽しみたい「かもめバス」
バスで行くならば往復の景色も楽しみたい「かもめバス」

 ご神体はその名の通り「石」で、御祭神は玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)。日本神話に海の神様である「綿津見命」(ワダツミノカミ)の娘で、また後に神武天皇を生むことで初代天皇の母として登場するのが玉依姫命である。玉依姫命の夫はウガヤフキアエズノミコトである。

 夫であるウガヤフキアエズノミコトの母親は豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)であり、豊玉姫命(姉)と玉依姫命(妹)は姉妹である。あれ?と思われた方は鋭い。現代の法律ではダメなのだが神話の世界ではよくあることだ。文章で書くとややこしいが、どういうことなのか、ご自身で略系図を書いてみていただきたい。

 そんな玉依姫命をお祀りする神社だが、海の神様の娘であることから海女に信仰されたとも考えられ、女神なので女性の神様として崇敬を集めたのも理解できる。石神社には享保15年と文政4年の棟札が残されておリ、それによると慶長14年建立と記されているので416年前ということになる。まだ江戸時代が始まっていない直前のころである。

■なぜ願いが叶う?

神明神社境内社の石神社
神明神社境内社の石神社

 「ある正月の晩に髪を島田髷に結った女神が石神さんの元に現れた」という口伝を相差の海女が古くから信仰し、命をかけて海に潜る際の安全と大漁を祈願してきた。それらの伝説が転じて「女性の願いなら一つだけ必ず叶えてくれる」と言われるようになったという。

 こうした言い伝えは全国各地に存在し、それに応じた神社仏閣も数えきれないほどあるだろう。しかし、神名神社が有目になったのは、お願い事の仕方と報賽の絵馬により願い事がかなったことが願主本人により記されているからなのだろう。

御祭神であるタマヨリヒメノミコトの説明
御祭神であるタマヨリヒメノミコトの説明

 その変わったお願いの仕方とは、まず神社手前にある記載台に置かれたピンクの願い用紙に願主の氏名と願い事を書く。続いて拝殿の前に進み、鈴を鳴らし願い箱にお賽銭ではなく記入した用紙を専用の箱に入れて参拝する流れである。特に祈祷をしてもらわなければならにということはない。

 お願い事をする際にお賽銭を納めないが(参拝として納めるのは一般の神社と同じだがお願いに対して特に納める必要はないという意味)、心願成就のあかつきには報賽(お礼参り)をするのが礼儀だ。その際に多くの人が報賽の絵馬を奉納する。

願い用紙記載台
願い用紙記載台

 絵馬といえば願主がお願い事を書いて願掛けをするのが一般的だが、同社に奉納された絵馬には成就のお礼の文言が並ぶ。これらをながめた限りは、かなり多くの女子たちの願いがかなっているのだろうと推察される。

 当然のことだが、生涯で一つの願い事なので、邪な俗っぽいお願い事は慎んだ方がいいだろう。鳥羽に向かう前からよくお願い事を考えて参拝した方がよさそうだ。

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