鹿児島市交通局では2021年8月1日からモバイル限定で利用開始時刻から24時間使用できる「市電・市バス・シティビュー24時間乗車券」を発売中だ。既存の紙券やスマホ1日乗車券も引き続き発売する。その違いなどを見てみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】「ちょっと温泉とかき氷!」には24時間券が便利!
1日券と24時間券の違い
「市電・市バス・シティビュー一日乗車券(スマホ一日乗車券含む)」及びモバイル限定の「市電・市バス・シティビュー24時間乗車券」は、鹿児島市内の市電(観光レトロ電車含む)、市バス及びカゴシマシティビューに何回でも乗り放題である点に違いはない。ただし料金は1日券が大人600円なのに対して24時間券は800円と200円高い。
1日乗車券のメリットは当日限り有効なのでわかりやすいことだ。有効日の始発から最終まで乗り放題なので朝から晩まで乗り倒すにはもってこいだ。ただし旅行者には使い勝手が良いとは言いにくい面があり、それをカバーするのが24時間券だ。
鹿児島には新幹線や航空機、または高速バスで到着するケースがほとんどだろう。3泊以上の中日(なかび)であれば1日券でも問題ないが、初日や最終日前では1日券は使いにくい。昼頃に到着しても1日券では半日がもったいないからだ。
もちろん600円は十分に安いので「元を取る」という意味では問題はないが、やはり1日券はフルに使いたいのも人情だ。
そこで到着が何時になっても24時間券であれば翌日の同時刻まで使用できるので、無駄がないというわけだ。到着日のグルメや温泉(鹿児島には天然温泉の普通の銭湯が多くある)にちょっと足を延ばすのにも気軽に利用できるのがうれしい。
押さえておきたいグルメと温泉
記者が行ったことのある場所から独断で押さえておきたいグルメと温泉を紹介する。鹿児島ラーメンはもちろん豚骨だが、福岡の豚骨ラーメンとは違い若干甘目なのが特徴でぜひ食べておきたい。
また「むじゃき」の「しろくま」も美味しい。ちなみに「むじゃき」はかき氷屋ではなく、お好み焼き屋なのでセットでお好み焼きと一緒に食したい。天文館の本店以外にも、鹿児島中央駅ビルアミュプラザ鹿児島店の地下1階にもあるので旅程に合わせて立ち寄りたい。
市電「涙橋」電停(郡元電停ではないので注意)目の前にある温泉銭湯「郡元温泉」は地元の方も多い本物の温泉で、宿泊したホテルにコインランドリーがない場合は、温泉に浸かっている間にここにあるコインランドリーで洗濯してしまおう。
紹介したこれらの立ち寄り場所は到着日の移動で十分行けるところばかりなので、24時間券で1分1秒を無駄にせずに回りたい。
鹿児島にはLCCが飛んでいるので運賃も非常に安い。以前のようにあちこち回る欲張り観光は難しいかもしれないが、運賃が安い分だけ1泊2日でも満足度の高いプチ旅行はできるだろう。24時間券を活用して鹿児島市内をバスと市電で堪能する、静かで小さな「ちょっと温泉に入ってかき氷食べてくるだけ」の旅というのもよさそうだ。