一般社団法人いわき観光まちづくりビューローは、観光庁の実証事業(福島県沖地震等の風評対策採択)の採択を受け10月より観光周遊バスの実証事業を開始したが、11月6日よりコース内容を一新し2022年1月まで実証運行をする。内容を見てみよう。
文:三条桐葭
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
乗車無料の周遊バスで福島への風評被害をなくせ
東日本大震災から10年という節目を迎え、風評被害や自然災害における観光イメージ回復を目指し、いわき市内宿泊施設の利用者限定の観光周遊バスを実証運行している。
東日本大震災以降落ち込んでいるいわき市内の200を超える宿泊施設の需要を喚起する目的で、いわきに宿泊すれば無料で周遊バスに乗車することができる。
いわきMEGURU号で巡る福島唯一の国宝建造物
コースは2つあり、いわき市内をバスガイドと巡る「いわきMEGURU号」は新常磐交通が運行し土休日に運転。福島県内で唯一の国宝建造物「国宝白水阿弥陀堂」等の福島県を代表する観光名所をはじめ、昨年開館した震災伝承施設「いわき震災伝承みらい館」にも立ち寄るコースでだ。
また立ち寄り施設に設置されているスタンプを押すと、「いわき・ら・ら・ミュウ」でお買物券と引き換え可能なスタンプラリーや、ネックストラップに入った記念乗車券を立ち寄り施設で見せることで、割引や優待が受けられるといった乗車特典もある。
みらいTSUNAGU号で巡る震災伝承施設
もう一つのコースは、福島県沿岸部の浜通り地方を語り部と一緒に巡る「みらいTSUNAGU号」で新浜通り交通が運行を担当し、休日のみの運転だ。双葉地区を中心に新しく出来た震災伝承施設を見学し、防災・減災の知識を習得すると共に、東日本大震災の記憶を風化させないことを目的に運行する。
震災直後に結成した市内の有志「いわき語り部の会」のメンバーに乗車してもらい、自らの被災体験や今の福島県浜通り地方の現状などをバスの車内で説明する。
乗車方法は無料だけど「いわき宿泊」の条件あり
どちらのコースもいわき市内に宿泊すればバスへの乗車料は無料。ただし各施設への入館料や昼食代金等は参加者の負担。バスの定員は各日先着20名で、出発前日までの予約が必要だ。
バスの乗り場は「JRいわき駅前」「ハワイアンズバスベイ」「温泉神社バス停」「JR湯本駅前」「いわき市石炭・化石館第2駐車場」の市内5か所。「いわきMEGURU号」は毎週土日祝、「みらいTSUNAGU号」は、2022年1月23日までの毎週日祝の運行。一部除外日があるので予約の際に確認のこと。
いわき市のレジャー施設であるスパリゾートハワイアンズのシャトルバス(帰り)との接続も可能な運行ダイヤになているとのことなので、福島県いわき市や福島県浜通り地方にお出かけの際は旅程への組み込みを検討してみてはいかがだろうか。
予約などの詳細は「いわき観光まちづくりビューロー」の公式ホームページで確認していただきたい。
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