京成トランジットバスは、2022年3月12日(土)から、通勤・通学定期券について『金額式IC定期券』サービスを開始する。金額運賃内であればそのまま定期券で乗車でき、定期券の金額を超える場合はICカードで自動精算される仕組みだ。ICカードならではの方式だがかなり便利に使えそうだ。詳細を見てみよう。
文:三条桐葭
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
金額式定期券とは?
金額式IC定期券は、購入した基準運賃の範囲内であれば、区間に関係なく乗車可能なうえ、乗り越した場合は自動で差額精算される定期券だ。なお同社では、金額式IC定期券のサービス開始に伴い、これまでの区間式定期券(紙式)および学期定期券は、一部を除き発売を終了する。
これまでの定期乗車券の常識は区間を指定して購入し、乗り越した場合は当該区間の運賃を別途支払うというものだ。金額式定期券は区間ではなく基準運賃を指定して購入する。たとえば170円区間という定期券を購入すれば、同社の一般路線バスであればどこから乗車しても170円区間内は定期券が有効になる。
また170円区間を乗り越した場合は、そもそも区間を指定していないので、乗り越し区間の運賃を支払うのではなく、全区間の運賃から170円を差し引いた差額をICカードのチャージ額から差し引いて自動精算する。
よって普段は自宅の最寄り停留所から通勤や通学のために駅まで行く定期券が、休日には逆方向の駅近くのショッピングセンターまで行くにも、運賃額が購入基準額以下であればそのまま使用できるし、高い場合は差額精算で済む。
また普段は使わない別の鉄道路線の駅に行くのに運賃が高い場合でも、通勤・通学用の定期券を活用して差額だけを支払えば乗れるので、活用次第では活動範囲が広がる可能性があり地域住民に沿った制度と言えそうだ。
発行はカードでもスマホアプリでも
この定期券はスマホアプリ「PASMO アプリ」(Apple Pay)や「モバイルPASMO」(Andoroid)、PASMO・記名式Suicaに発行でき、アプリの場合はスマホ上で購入ができるので定期券売り場に行く必要すらないのも便利な点だろう。
対象エリアは同社が運行する一般路線バス全線で、市川市コミュニティバス・高速バスでの利用はできない。また深夜バスは深夜割増運賃を支払えば乗車可能だ。
発売額は現在の区間式定期券と同額で、通勤・通学とも1・3・6か月が発売される。京成バスとの共通定期券・乗継定期券は従前どおり紙式で発売される。
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