……といったところでなぜ利用したいと?
バスでの移動意欲が高い理由については、1位「価格が安いから」2位「時間が有効活用できるから」3位「出発・到着時間の都合が良いから」となっており、費用や時間を有効活用できる点が高速バスの魅力となっている。
鉄道が維持できなかった夜行便の主流は事実上、高速バスになっており航路の少ない夜行の船舶よりも選択の幅が広く、運賃も比較的安いことから宿泊費を浮かす手段としても人気がある証左なのだろう。
消極的な理由は「疲れるから」!?
一方で「バスでの旅行意欲が低い理由」については、「疲れるから」が1位となっているが、前回まで1位だった「新型コロナの感染がまだ拡大するかもしれないから」は5位に順位を下げており、少しずつポストコロナに向けた意識の変化が伺える。これはバス事業の収益性も関係すると思われる。
4列シート夜行便は若い人が多く、3列や個室付きの夜行便はビジネス利用もある。運賃を安くするためには乗客を詰め込まなければならず、4列トイレなしには耐えられないという層が、実体験とイメージの両面からで敬遠していることは間違いないだろう。
鉄道との競争を繰り広げていた時代には短距離昼行便でも3列シートが当然のように走っていたが、4列シート車がデフォルトになるとコロナ騒動も重なり、バス移動を敬遠した層がいたことも事実だろう。
それら敬遠した層が戻るためには再度のテコ入れやサービスの(特にシート配列)再構築を迫れれるのかもしれない。
選択肢に入る重要性
現在では移動距離にもよるが最も早くて安いのはLCCになっており、バスの方が高い路線はいくらでもある。しかし航空機にはできない夜行便という時間を有効に使え、航空機ではほぼ必要になる宿泊費を差し引くことができるとなると、バスに軍配が上がるケースもある。
消費者の選択肢が広がることは非常に良いことだが、選択肢に入らなくなることが最も恐ろしいことなので、ただ安いだけではなく多彩な仕様のバスを幅広い層に提案し、提供することも今後は必要になるのではないだろうか。
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